以前記事を書いたAcon Digital “Acoustica”のMac版がついに発売になったみたい。
https://acondigital.com/products/acoustica
今まで見てきたMac用の波形編集ソフトの中では最も好感触。
機能
いちおうMac OSX以降うちで試した波形編集専用ソフトを列挙しておくと、こんな感じ。
- Aurchitect Audio “Wave Editor”(download.cnet.com)
- Iced Audio “Audio Finder”
- Apple “Soundtrack Pro”(アーカイブ)
- Aurchitect Audio “Triumph”(アーカイブ)
- “Audacity”(https://www.audacityteam.org/)
- Magix “Sound Forge Pro Mac”
- Adobe “Audition” (デモ)
- iZotope “RX6 Advanced”(https://www.izotope.com/en/products/repair-and-edit/rx/rx-advanced.html)
- NCH Software “WavePad Audio Editor”
- “DSP-Quattro”
最近まで使っていたDSP-Quattroはほしい機能がほぼ全て揃っていたので重宝していたのですが、Retina対応やファイルのアクセス権、処理UIの古さに難があって、そろそろ使い続けるには厳しいかなと、乗り換えを検討し始めていたタイミングでした。
Acousticaは、日本円だとおそらくStandard Editionで¥10,000、Premium Editionで¥28,000くらいになりますかね。
少なくとも自分がMac向けの波形編集ソフトに求めていた、
- DCオフセット除去
- リージョン管理
- クロスフェードループ作成
- バッチ処理
- ラウドネスメーター
- マウスの単純操作による拡大縮小機能
は備わっていて、ほかに
- AU, VSTエフェクトの適用
- ノイズ除去
- スペクトログラムによる編集(レストレーション)機能
- 多チャンネルおよび高サンプリング周波数での編集
が可能。
要はAcon Digitalがプラグインとして提供していたレストレーションやEQなどの処理、その他オーディオのトリート面で欲しい機能が、1つのオーディオ編集ソフトとしてまとめられた、と言えます。
安定して動作するため、長年愛用してきたWindows版のSound Forgeの代わりになりえます。
ちなみにうちではSound ForgeのMac版を購入使用してましたが、Mac買い替えのタイミングで起動しなくなり、問い合わせようにも販売元が転々と代わったり急に準備中になったりで、なすすべない状態になって以降見捨てました。
難点
難点があるとすれば、Sound Forgeでこの上なく便利だったドラッグによる波形ミックスは残念ながら不可。
日本語ファイルや日本語のタグはウィンドウ内のタブで文字化けします。
横軸は初期設定(Preferences)にまで潜らないと変更できません。また横軸を最大限に拡大するために+マークで操作するとどこからか突然スクロール機能に切り替わるため、Control+ホイールで拡大しないと誤処理する可能性があります。
ビットデプスの変更は一度書き出さないとできないっぽい。
あとは処理前のプレビューモードでは、1度再生してループ後戻ってきた2度目の再生時に機能しないバグがありそうだ。
それから、非アクティブ時でもオーディオドライバーをしきりに奪い取ろうとしてくるため、同時にDAWを立ち上げていたりすると喧嘩するっぽいですね。ただし、環境ごとに差異がありそうなので、ひとまずはオーディオドライバーに絡むソフトを同時に起動しとかないようにするか、Acousticaには別のオーディオドライバーを割り当てとくかしたほうがいいのかも。
ともあれ、最初のリリースでここまで安定動作するものになっていれば充分じゃないですかね。
あとはここに挙げた難点がクリアされれば言うことなしと思います。