メモ兼ねて、Musician on a Missionがアップロードしていた 21 mixing tips that would have saved me years 動画中の要点をざっくり訳しておきます。
- バスを活用せよ
負荷軽減、効率改善、音の取りまとめに有効である - ステレオ・スラップ・バック・エコーを活用せよ
浮いた音を落ち着けるためにスラップ・バック・エコーが有効である - ルーム・リバーブは2種類用意せよ
異なった環境で収録したパートをまとめるために、アーリー・リフレクション用途、レイト・リフレクション用途の2系統に分けると扱いやすい - レファレンスを使用せよ
達人のミックスを参照するとともに、長時間の作業による感覚の鈍化を回避しやすい - コンプを直列に繋いでみよ
1個目をトランジェント用、2個目を整音用につなぐのが好み - ボリュームバランスに気をつけよ
手順を踏んでバランスを取るべし(How to ACE the static mix (levels and panning) – YouTube) - 計画してから取りかかれ
適切な場面で的確な手法をとることで徒労を極力排除するべし - モノラルミックスを試せ
さまざまな環境での再生を想定するべし - ゲインステージを活用せよ
すべてのトラックのゲインを調整すべし - いい音を選択せよ
HOWTOに従うのも大事だが、自分がどうしたいかも考えるべし - ボリュームオートメーションばかりがツールではない
Logicのマーキーツールのように素早くできる代替手法があることを知るべし - ショートカットを知れ
時間をかけたために感覚がフレッシュじゃなくなる、ってのを避けるために時間を節約できる手法を活用せよ - 元の状態のものを取っておけ
「イマイチうまくいかなかった」と思っても元より遥かにマシであることを知覚せよ - パンのオートメーションはボリュームのオートメーションの価値に匹敵する
曲のダイナミズムを表現するために構成ごとにステレオ度を変えるのは有用 - 自分だけで判断するな
ラフミックスの状態で他人からシンプルな感想をもらうと、方向が定まり素早く作業できる - ポケッティングをためらわず活用せよ
雰囲気レベルのノリや勢いの調整にmsec単位のナッジを活用するとよい - 緩いクオンタイズを活用せよ
程よいバラツキがもたらす効果が実は絶大 - ミキシング技術は充分な録音/演奏の品質あってのもの
秀逸なソースを使ってこそさまざまなTips, Tricksが役立つ。低品質なソースでは限界がある - 休憩せよ
長時間の作業で聴覚は鈍化する(レファレンス音源すら正しく聞けなくなる)。長時間の労働は品質に対する保証に決してならない。 - トラックをソロにして聞くな
個別のトラックのブラッシュアップより曲全体のトーンを気にするべし。個々のトラックの出音を確認するならインサートチェーンの最後にGainプラグインを挿入し、そのOn/Offで操作するとよい。 - 実践あるのみ
21個述べてきたが、自身の曲で有効かは実際に試してみて判断するべき。得た知識は自分なりにアレンジするなどして活用するのが理想であって、何でもかんでもそのまま使えると思わないほうがいい。
と、おおむね同調できる内容でした。
16, 17の感覚って、他の色んな技術や感覚に比べると身に付くまでだいぶ時間がかかります。
位相がどうこうって説明でも納得はできるけど、結局、美感に関わる面も大きくて、何かの拍子に「あ、これか!」って感覚的なスイッチがOnになるまではどれだけ色んなパターンの訓練を積んでもなかなか知覚できません。
そう、知覚か知識か。知識だけでカバーし切れないもんがあります。もちろん逆に知覚だけじゃカバーし切れないもんもあります。
だからこその21の「実践あるのみ」で、さまざまなケースになるべく早いうちに出くわさないといけないということですね。
言ってしまえば、この21個はこの人が経験した中で得たもの。もっと違う分野の音楽に携わった人や、別のDAWでミックスしてる人や、違う人生経験を経てきた人にはまた彼らなりのtipsがあると思うので、あわせてそういった情報も仕入れつつ実践してみるといいと思います。