Wavesfactory “Equalizer”

なぜ今さらイコライザーなど…と思っていたのですが、Plugin Boutique等のアフィリエイトでもなさそうなのに絶賛している記事を見かけたので取り上げます。WavesfactoryのEqualizer。

この少々奇抜なディスプレイの意味するところは、32バンドが自動で調整されるので、個々のバンドを人力でいじらなくて済むというもの。むろんカスタマイズは可能。早い話がジェネリックなマッチEQであり、ダイナミックEQであり、エンハンサーであり、なおかつゼロレイテンシーであると。

製品紹介動画も、再生数に対し、賞賛のコメントが非常に多いですね。
出過ぎを削るタイプのダイナミックEQがSoothe以降あちこちからリリースされましたが、増幅も勝手にやってくれるのは、EQに悩むひとにとって有り難いはず。

少し時間があったので、ざっくり試してみた印象。
この手のエフェクターには、やりすぎなくらいカット&ブーストを行なってしまうものがちょくちょくあるのに対し、現実的にOKなレベルに抑えているのは非常にイイと感じました。もちろんドンシャリを選べばドンシャリになるけれども、出音としては「柔らか」く、ゆえに電子音系の音楽よりはアコースティックな楽器に使うほうが効果的。ただし、それなりの音でレコーディングできてる必要は当然あります。
懸念があったのは、自分や、同じツールを使うユーザーの音楽が最終的に同じサウンド傾向になってしまいかねない点ですが、決して多すぎはしない数のプリセットが備わってユーザーによる選択の余地があること、および、さすがにこのEqualizerをくぐらせるだけで曲を完成とするって人はいないだろうと、そう考えると楽曲が似通うかどうかは結局ユーザーの能力次第になるだろうと。
そして欲をいえばですが、iZotopeやSonibleなどのデベロッパーが既にこうしたエフェクターのもう1レイヤー上にポータルのようなコントロールを設計して、楽曲内の各エフェクトを一箇所で操作できるようにしていることから比べると、不便さは否めない。Wavesfactoryの能力はとっくにそのレベルに達してると思うんで、ゆくゆくのバージョンアップで実現してくれたなら有り難い。

情報

  • Windows, macOS(Silicon対応)
  • AAX, AU, VST, VST3
  • 定価€99、イントロ価格€59