恒例、Bobby Owsinski氏の記事。タイト( tight )なバンド演奏を実現するにはどうするか。
この場合の「タイト」は、タイムに対するタイトさが主要な意味だけど、「伝えようと思ったままの音が聞き手に届く」のニュアンスも含んでる感あり。
曰く、
- ダイナミクス(抑揚)大事。
- ボリュームと力強さは別物。
- メンバーが何を弾いてるか耳を傾けよ。
- タイミングがすべて。以下のことに集中せよ。
- 始まりと終わり
- アクセント
- グルーヴとポケット
- アタックとリリース
- ビルド(盛り上がり方、重ね方)
- 転換
- テンポを安定せよ。
- うまく響かないときには弾き方を疑え。
- 速く弾いても盛り上がりはしない。むしろダイナミクスやタイトさは失われる。
- 落ち着け。
- 録音通りの音など目指さず、いい響きを心がけよ。
- メンバー間でチューニングを統一せよ。
上の(1)にさえ気を配ればオーディエンスを惹きつけられる、といいます。
わりと難しいのが、他のメンバーが弾いてる内容に耳を傾けよというやつ。
できる人はできるけど、できない人はできない。
そういや先日こんな記事がありました。
我々は、「何を書きたいか」ということが決まった時、何の障害もなく、すらすらとそれを文章に書き出すことが出来るでしょうか?
勿論のこと、それがすらすらと出来る人、出来る子というのはいます。
(中略)
考えたことを言葉に直す、適切な言葉と言葉の繋がりを想定してテキスト化する、そういう仕組みが既に脳内に出来ている。
その為には、ある程度の慣れと訓練が必要です。
「作文が書けない子」に本当に必要な訓練の話 | Books&Apps
僕自身いま学校で力加減やスタンスを毎年のように変えて反応を見つつ調整してるとこなんですけど(調整に何年もかかると思わなかった)、「困ってる? じゃ、こうするといいよ」というのが届く人と届かない人とがいて、ふだんからわりと自力で問題を見つけちゃ解決するって習慣のある人には届くんですよね。問題見つけるたびに逃げちゃう人には届かない。解決して進むという選択肢を見たことないから。
そんな感じで、自分が何かをしてる間に他人の様子にも気をやるって選択肢を見た経験がゼロな人には案外、他メンバーの演奏内容に耳を傾けるってのは難しかろうと思います。
まず自分の演奏をしっかりする必要もあるだろうし、多かれ少なかれ自信も必要だろうし、だけど場合によっちゃ自分が弾かなきゃいけない内容を犠牲にしてでも他メンバーの演奏に耳を傾けなきゃいけない場面もあるかもしれません。
どういった形で命綱を用意するかって戦略練っとくのもアリかなと思います。いわゆる、仕組みでカバーするというやつ。