TBProAudioの Euphonia という、スペクトラムマッチツール(いわゆるマッチEQのようなもの)がバージョン2にアップデートされたというニュースを見かけたので、初めて聞くツールですがざっと試してみました。
早い話がマッチEQです。
Logicにも純正のマッチEQが付属してますし、Ozone使ってる方にはOzoneのEqualizerにマッチ機能が付属してるのをご存知だろうと思います。
LogicのマッチEQの実装当時の精度は「なんでやねん」と軽くツッコミを入れたくなる次元でしたが、今ははるかにマシになってますね。
マッチEQってのは、既存の曲やピンクノイズなど、特定のオーディオデータをレファレンスとして設定することにより、現在マッチEQがインサートされたチャンネルやマスターの周波数分布が自動的に調整されるもの。つまり目標とする曲の周波数分布を真似るためのものです。
長時間作業してると耳の感度が鈍ってくる、あるいは一度に大量の曲をマスタリングする必要があるというときに便利なのと、最近は僕も自分の耳をアテにせず(よほどこだわりのあるもの以外で)ある程度マッチEQを参照するようにしています。
Euphonia 2の使用感としてはこんな感じ。
- 手順を示すアイコンがわかりにくい。
- 「確実に元音声に対して加工をしている」ビジュアル的なサポートがない。
- マッチEQ的機能以上の価値を見出だせない。
- 全体にシンプルであるのはよい。
- Pop, Dance, Jazz, EDMに限りますがプリセットはそんなに悪くない。
言うまでもないことですが、マッチEQってのはあくまでもEQの守備範囲内での処理に限るんで、レファレンス音源にかかったコンプ具合、マルチコンプの具合などは守備範囲外で、またそれがためにクリップも発生しやすい。だからそうした面を踏まえた上で加減して使う必要がありますね。
デモバージョンとしてダウンロード可能なので、機能紹介動画を見てから使ってみるとよいかと思います。
とりあえずはこれに代わるものを自分は既に持っているので、うちでは導入しません。