70年代頃の古いリバーブ感を Spring Reverb で出そうとしてあれこれ試したのです。
個人的なタイムトライアル(ちなみに3時間以内に曲データを終わらせるという制限)の最中に試した限りなので、作り込み時間をほぼ持たず、かつ、細かな吟味もほとんどしてません。
そして結論いうと、現環境の中であの感じを出すのは厳しいっぽいなあと。
目次
Space Designer, ChromaVerb
Auxチャンネルに挿した場合、それをメインウィンドウにトラックとして立ち上げない限りプリセット内を検索するのがメンドい、そんなSpace Designer。さすがにその仕様をそろそろ改善してほしいところ。
Spring Revebとカテゴライズされているものを一通り試してみたのだけど、コレ!って音にはなりませんでした。
最終的に時間が足りなかったので、今回に関してはSpace Designerを使うことでお茶濁ししたのだけど。
IRデータ専門で配布してるサイト(Impulse responses , ~ dubbhism ~: Free download – 60 Classic and King Tubby style spring reverb impulse responses for convolution reverb , Browse the Auralization Database | The Open Acoustic Impulse Response Library (アーカイブ))から以前Reverbのデータを数々ゲット済で、それも読み込ませてみたのだけどバシッとは来ず。
そもそもSpring Reverb感とレトロ感とは区別して考えたほうがいいんだろうなという結論に至りました。
ChromaVerbのほうはSpring Reverb感出せずじまい。
Pedalboard, Amp Designer
ステレオ感の面で疑問の余地はあるけど、いま求めてるSpring Reverb感に近かったのがAmp DesignerでプリアンプのモードにしてReverbだけをOnにしたもの。今回は使わなかったけど、またレトロっぽいもの作ったり、アレンジのギミックとして必要が生じたら試してみるつもり。
しかしまあ、これだけのSpring Reverb感が出るなら、Space Designerのほうでも同じIRデータを使えてほしい(自分が気付いてないだけで実装されてるんだろうか…?)。
AudioEase Altiverb, Speakerphone
Gearってカテゴリーに幾つかSpring Reverbが入っていて、もちろん上質なのだけど、どちらかというと優雅な響きで、70年代っぽいせせこましい響きにはなりませんでした。
Speakerphoneはなんだかんだ出番があって引退させられない。ギターアンプらしいSpring Reverb感が生々しかったけど、Speakerphoneにぶっ込むまでにかなり音を作り込まないとならんですね。まあSpring Reverbに限った話じゃないんですけど。
UAD RealVerb
最近また使い始めてるRealVerb。このSpring Reverbは求めるものと違いました。ちょっと暗いかな。
NativeInstruments Reflektor, Spring Reverb, RC24, RC48
使うには少し不便だけど思いの外よかったのがGuitar Rigの中にあるSpring Reverb。曲調によるかも。
Reflektorはそうでもなかった。RC24, RC48はなんとなく’っぽい’感じにできたけど、デジタル臭が勝ってしまいます。
Valhalla VintageVerb
評判よかったので入れてみたのだけど、ValhallaShimmerとそんなに変わらんですね。
適度なスラップバック感を出せてよいのだけど求めてるスプリング感は出せなかった。
教科書的ReverbってHall, Room, Plateの3つで、Hall, Roomが音場の再現、Plateが鉄板の再現にあたるわけですよね。
Spring ReverbはPlateの省スペース版みたいなもんで、でかい鉄板が必要なPlateと違いバネを共鳴体に用いてると。
その形状のためレゲエのギターや昔の特撮映画の効果音で聞く、跳弾のようなチュンチュン言う残響音になります。
IR方式のリバーブって疑似ランダム性が薄く(皆無な場合も)、同じ入力音に対して毎回同じリバーブが安定して返ってくるんで、もともとが安定したサウンドになりやすいDTM環境においては極端に増幅されてしまったり飽和に達しやすかったり、逆にリバーブ感が全然出ない(位相の打ち消し等で)なんてことも。
中でもSpring Reverbは入力に対して返す残響のランダム性が特に高い(というか耳に付きやすい)印象があって、安定した演算結果を返しやすいIR方式には向かないんだろうなと思ってます。
もちろん雰囲気は出ますが、求める音に近づけるためのパラメーターがIRのそれとはだいぶ違うよなと思ってます。
そこで、ちょうどいいものは無いかと調べてみたら、適していそうな物理モデリングのものもあまり見つからず、手持ちでいいものはないかと試してみたのが今日の日記の内容で、この中では結局ギターアンプシミュレーターに備わったリバーブ機能がかなりいい味持ってるぞと。
問題はギターアンプシミュレーターのアンプシミュ部分は要らず(それがアイデンティティなのに!)、リバーブ部分だけ使いたいって希望に応えてくれるのかという点。
LogicのAmp DesignerだとClean PreAmpに設定すればアンプシミュを完全にバイパスでき、Guitar Rigだとペダルボード(アウトボード)がモジュールとして小分けになってるお蔭でリバーブ部分だけ使うことができるね、というお話。
あとはだから、モノラル出力になっていいのかってとこに一考の余地がありそうです。