セールの情報など見かけますがそっちのけで。
ビジュアライザーのOscarizorで知られるSugar Audioから All-Round Saw Synthesizerと嘯かれる Sawrizor が登場。
シェアウェアですが、値段は購入者次第らしい…と、このパターンをたまに見かけますが徐々に浸透しているんでしょうか。
鋸歯波(Saw Wave)を起点とするウェーブテーブル2つ(ユニゾンは11まで)と、サブのオシレーターを有し、そのバランスを取って鳴らすという、ウェーブテーブルシンセのサイドから見れば少々バリエーションの乏しいシンセといえます。
Decayの値によっては鳴りっぱなしになってしまうEnvelopeと、いわゆるフィルターってより倍音の減衰と言ったほうがいいかもしれないDampingに不自由さはあるものの、エフェクトは思っていたよりだいぶクオリティが高いですし、右下の波形インジケーターもけっこういい仕事をしていると思いました。
いちばんのウリはオーバーサンプリングやアンチエイリアシングへのこだわりのようで、たしかに、ウェーブテーブルなのに音域によるサウンドクオリティの変化がありません。
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これでどの程度伝わるかわかりませんけど、ポイントとしては、
- 高い帯域で鳴っているときにエイリアシングが起きていないこと、低い帯域で鳴っているときに高域が削れていないこと(これを両立できる草の根ソフトは少ない)
- SuperSawなのでUnisonをフルに使い、厚めの和音を鳴らしたら流石に重かった
の2点。
“鋸歯波限定であるためにこれ(特に1)が実現できてるのか”は判断しきれませんが、低域から高域まで広い帯域での音質差に悩まされている人はこのソフトを選択肢に入れてもいいかもしれません。
なおオーバーサンプリングは×8までですが、この厚さで鳴らすとリアルタイムだととてもとても再生には堪えらんなかったようで、使いどこを選ぶとは言えます。