Spitfire Audio から Christian Henson が離脱(休養?)

うちで大きく取り立てるべき話題でもないかなと思ったのですが、スルーするのも違うだろうってことで。
Spitfireの共同設立者の一人である Christian Henson が、その放ったトランスフォビック(トランスジェンダー等への嫌悪)なツイートにより、席を退くことになったとのこと。
GEARNEWSとCLASHはひとまず経過をざっと伝えていて、この中ではMusicTechがいちばん広く事態を伝えてますね。なので、翻訳してでも読むならMusicTechのがいいと思います。
実際に何をツイートしたのか、アカウント自体が削除されてしまって直接見ることができないのですが、伝えられているところによるとJKローリングへの賛同ということらしい。
共同して製品を作ったこともあるÓlafur Arnaldsによる問答や、Indie Pop(ジャンル名であって、日本で言うインディーズとは異なる)アーティストのLeft At Londonによる不買宣言など、ユーザーからの反発があって、すぐさまSpitfire Audioが動いたというから速い。
一方で、Spitfire Audioが本当に多様性を掲げるなら多様性を拒絶する人をも許容すべきとか、よくも機械的に対応したもんだとの否定的ツッコミもあるらしく。

代名詞ともなるような肩書きを持った人が、対立のある概念や思想に言及するのは今どき本当に難しい、というか危なっかしい。たとえ信念があろうと、フォロワーが多いほど意見の相違に端を発するトラブルのリスクもでかく、ビジネスへの影響もそれなりに大きい。という点で、Spitfire Audio的にはChristian Henson氏の考え方に対して判断をくだしたというよりか、リスクに対する警戒が不充分と見なして判断をくだしたのかもしれません。邪推に過ぎませんが。

230226追記

MusicTech誌が、再燃するこの問題について報じています。
「デベロッパーはYouTube等でレビューを行うクリエイターも労うべき」という動画で先日取り上げた(MusicTech企業はクリエイターを労うべきかという話題 – makou’s peephole)Jeremy Brake(Red Means Recording)氏による最近の動画で、問題の根の深さが指摘されており、Spitfire Audioとしては「いや、そんなことはない。うちらはきちんと取り組んでいる」と反論があったとのこと。
結果、Christian氏がSpitfire Audioの「顔」からは降りたようではありますが、上記動画に追記されたJeremy氏のコメントでは、一部彼自身の事実誤認がありそれに関して謝罪しつつも、「結果Christian氏はどうなのか一切語られず不満。また「顔」から降りても経営に携わり続けることは変わらんのでは?」と語っています。また、Pianobookと提携していた数社が提携を解消するなど、少しずつ延焼が進みつつある様子。

今のところ、そういう事態になっている、というとこまでの理解にとどめておきます。