MusicTech企業はクリエイターを労うべきかという話題

Red Means RecordingのDear Music Technology Brandsという動画に呼応する形で、Synth Anatomyにやや長文記事が上がっています。

翻訳しないことにしたので詳細は原文をあたっていただければ。

記事読んでて引っかかったところなど。

ソフトウェアに関していえば在庫が不要な昨今は際限なく売れるのだから、売上に貢献してくれたコンテンツクリエイターにいくら報酬を支払ってもバチは当たらんだろうと、直感的にはそう思います。ただ、ミュージックテック側からすりゃ、より多くの人に使ってもらうべくコンテンツクリエイターに報酬を支払う代わりにソフトウェアを安く販売するやり方のほうが一般的かなという気も(もっともこれも趨勢に過ぎないので、もっと合理的な手法が提示されれば、また状況は変わると思う)。
また、現状こうしたコンテンツクリエイターに報酬を払っているのは、再生回数に応じて広告を出しているYouTube側であって、ミュージックテックはそれに乗っかってるだけという指摘は、言われりゃそうかもなと。再生回数が増えりゃYouTube側の支払いが増える一方でミュージックテック側は懐を痛めることなく(些少といえど)売上が増える、これがフェアかと言われればぐぬぬとなります。

動画コメにこうあるので、

I love a Jeremy that knows his worth. You put a LOT into your content and if these companies want your “stamp” on their product, they need to pay accordingly. You are worth more than the gear you tout. High time some music tech companies realize that.

Dear Music Technology Brands – YouTube

念を押してここに書いたほうがいいんでしょうけど、こうした話題を取り上げられるほどうちの日記に価値があるかといえば、そんなこともなく。…そういった前提やらある種のプライバシーをいちいち書かなきゃならんのも、ホントしち面倒くさいことで、だけど(不毛だけど)往々にしてノイジーな人々を気にかけなきゃいけない。ノイジーなというのは、書いてるのに読まずにツッコんできて同じ話を二度させるようなのね。
個人的には(←これも面倒くせえんだけど)このノイズ対策がいちばん面倒くさい。「あなたの感想ですよね?」ってしたり顔で言うけど、自分とこで発信してんだから自分の感想に決まってんでしょ、っつう。

で、あとミュージックテックと言われてどこを思い浮かべるかは人それぞれだと思いますが、老舗の多くは、開発販売だけでなく代理店を兼務してますね。場合によっては自社製品がほんの1,2製品で、ほとんどが他社の開発製品なんてとこも。ずっと代理店やってて、どうやら自社製品売るほうが儲かるらしいと聞いて急にやり始めるとこも多く。

業界全体のビジネスの在り方については明るくないのだけど、上のような話題で想定されているのはおそらく「儲かってるお前ら」なのであって、どうにかやりくりしてるところは別段気にする必要ないだろうと思います。
十把一絡げにどこもかしこも動画コンテンツクリエイターに報酬を渡せとなると、これはこれで、意欲あっても体力の乏しい開発者が沈んでいってしまいかねない。難しいところですね。場合によっては、せっかくこれまで厚意で安く手に入れられていたソフトでも、コンテンツクリエイターに支払うことを想定したぶん料金が上乗せされることになりかねない。フェアトレードの良しや悪しやみたいな話になってきたりもします。

ただ、コンテンツクリエイターが労われておかしなことは一つもないよね、とは思っています。

ともあれミュージックテック側とコンテンツクリエイター側とでコネクションを持っておいて、把握しやすくしときましょうというのは合理的以外の何物でもない。必ずしもグルってことにはなりません。本来はね。