Soundiron “Desk Bell!” [Free]

Soundiron “Desk Bell!” [Free]

ほぼ統一されたフォーマットで新作ライブラリーをがしがしリリースするSoundironの新作Desk Bell!。
正直「これ要る?」と思ったのですが、デモを聞いたところ「いずれ使いそうだな」と。
Soundiron製品のこの種類のライブラリーは、単純にその素材を鳴らすだけであれば「ふ〜ん」レベルなのですが、LFOやFilter、Arp(アルペジオ)等、プリセットの充実した機能以外にさらに、Ambienceカテゴリ(本作ではBellbiance)に収められたアンビエント系のパッド音が、映像作品等の背景音として面白いのです。

それと、本作に限ってか、本作から新搭載されたものかわかりません(now haveと記されているので、今後積極的に搭載されると推測)が、Wavetablesが追加されています。
動画にも見えるこの3DビューでのWavetableは、上部の歯車アイコンでLFO等の子ウィンドウに切り替え、その子ウィンドウの下部のART.OPTIONSをクリックすると開きます。通常最下部のOFFSETで発音タイミングを調整しますが、ART.OPTIONSのPOSITIONやFORMをぐりぐり動かすことでふつうのWavetableシンセと同様にコントロールできます。
以前記したように、KontaktのWavetableはMassive由来のもので(そりゃそうだ)、インターポレーションこそそこまでスムースじゃないものの、Massiveと同じ感覚でコントロールでき、かつポリ数やレイヤー数の影響がきわめて少ない。MIDIラーンで手持ちのMIDIキーボードやDAWからも簡単にコントロールできるので、たぶん思っている以上のパフォーマンスが得られます。KARANYIから販売されている数々のサウンドライブラリーもその辺りのポテンシャルに注目したものだと思うのですが、イマイチこの機能の奥行きに対して認識が浸透していないっぽいですね。Kontaktはサンプラーって先入観のせいでしょうか。

導入と、Native Accessに関する補足

なお、Soundiron製品の導入は、慣れぬ人には少々まどろっこしいかもしれないので、補記しておきます。代理店等を通じて導入される方は、手順が異なりますので代理店によるガイドをお読みください。

  1. サイトでカートに入れ、購入
  2. ダウンロードコードとNIのライセンスコードを記したメールが届く
  3. OSにあったダウンローダをゲット(メールだと左側にWindows Download, Mac Downloadと記されている箇所)
  4. ダウンローダを起動してDownload Codeとユーザー名、メールアドレスを記入
  5. コンテンツのダウンロード先とインストール先(ふだんKontaktライブラリをまとめてある場所)を指定(うちは同じ場所に指定)
  6. 最後に表示されるNIのライセンスコードと、先にメールに記されていたライセンスコードが一致することを確認したら、ライセンスコードをコピーしておく
  7. Native Accessを起動し、左下のAdd Serialから、コピーしたライセンスコードをペースト
  8. 左上のNewをクリックして、Desk Bellが表示されたら「…」メニューのLocateを選択し、先ほどインストールしたコンテンツのありかを指定

パソコン操作があまり得意でない場合、Native Accessの機能や動作はかなり怖いだろうと思いますが、先週末に報道のあったように、今後NI製品とiZotope製品、Plugin Alliance製品はNative Accessでまとめて管理されるようになるので、今のうちに把握したほうがいい。
Native Accessは、ソフト購入者がソフトを安全確実にダウンロードするダウンローダであるとともに、ユーザーの所有するソフト(含ライブラリー)とそれらのインストール場所を一元管理するもの。よって、本記事のDesk Bell!のようにNative Access抜きでインストールを済ませられるものについては、インストールが済んだあとNative Accessでも製品登録をしなくてはいけません。これを端折ると、インストールしたのにKontaktにロードできない場合があります。

一方で、Kontaktライブラリーを大量に保有する場合、下記の方法を使うと多少起動が早くなります。おそらくKontakt自身が起動時にライブラリの状態をチェックしてるせいでしょう。もしそうであるなら、チェック頻度が月1くらいに減るか、手動チェックモードを搭載してくれるだけでも制作の妨げにならないと思うんですけどね。

  • NI製品のライブラリと、サードパーティのライブラリを別の場所に保管し、Native Acceessでそれぞれ正しく紐づけする
  • KontaktのLibraries画面(Insturmentラック;左側に、製品サムネールが縦一列に並んだもの)から、ことさら重いものを「Hide」し、Librariesの代わりにFilesやQuick-Loadからアクセスする
  • KontaktのOptionsのLibraries設定で、使用頻度の低いもののチェックを外して、Librariesの代わりにFilesやQuick-Loadからアクセスするようにする
  • Kontaktの上記Filesタブは、Quick-jumpが未設定の状態でロードするようにする(大量のnkiが保存された場所を指定した状態で起動すると、起動時に当該ディレクトリのリスト作成プロセスが挟まるため重くなる)。
    • これをデフォの動作とするには、DAWの起動時のプロジェクトにその状態のKontaktがデフォで読み込むよう設定するほかないかもしれない(未確認)。
  • Browserモードを使用する(Instrumentラックとして表示されるものと、どうやら別の管理状態のようだ)
  • ふだん使用しないものは、ライブラリの保存場所から別の場所に移動しておく(Native Accessで⚠マークが表示されても無視する)
  • ロードが重いものはBatch Re-saveする。ただし、旧バージョンのKontaktも使用している場合は、旧バージョンから読み込めなくなる可能性があるので注意)