sonible “smart:EQ4”

sonible “smart:EQ4”

sonibleから昨日の朝方ですかね、smart:EQ4がリリースされています。
前バージョンについては↓こちらにペタリ。

NFRをいただいて有り難くあれこれ試してはみたものの、結局のとこ機能ハイライトをまとめた動画のほうが説得力ありました。

多機能化は複雑化でもあるよね

バージョンナンバーのつく多くのソフトが、バージョンアップに伴って徐々に失速感を漂わせていくのと比べると、インターフェースがかなりゴチャつきながらもsmart:EQシリーズは着実に進化しているように思います。
ただ、可視化を大きなテーマとして掲げるデベロッパーだけに、そのインターフェースのゴチャつきは、印象としてかなり良くないと思いますね。それだけ一曲を俯瞰してのEQの取り扱いが難しいということでもあるんですが。動的である必要がないのなら積み上げ棒グラフ的な姿が妥当かとも思うんですが、これはこれで動的じゃないと意味ないですよね。

大まかに、ダイナミックEQ、アダプティブEQの機能搭載、それからマルチバンド化機能、グループビューでの操作性、プロファイル(プリセット)の大幅増強に格段の進歩が見られ、機能としては今のところ最強でしょう。
これらを活かし切れたなら、ミックスは必ず今よりラクになりますが、効率的かつ的を射たワークフローを誰かに見せてもらえないと、本業以外の人には専門的過ぎて手に余るかなと。
トラックの初期状態はこうあるのが理想で、こういうケースではsmart:EQのこの機能を活用して、見るべきはこの部分で、ここがどうなったらどの部分を調整して、最終的に全体像がこうなるように整えましょう、的なチュートリアルが必要。独自理論は不要、公式によるお手本が必要そうに思います。

10インスタンス同時処理は多いか少ないか、というと曲によるとしか言えないよね

グループ処理では最大10個のインスタンスをたった1個の画面内で処理できるわけですが、「10個?少なくね?」って思う人いるかもですね。
たとえばハモりが3人いて、3人にsmart:EQをそれぞれ差すかといったら、(曲の構造にもよるだろうけど)各々に最低限の整音を行なったらミックスバスとしてコーラスをまとめて扱うでしょうし、「役割」として10個程度には概ね収まると思うんですよね。
とはいえ厄介な曲を簡単に処理できるようになってこそのイノベーションってのも確かで、たとえば膨大なトラック数の曲を何とか巧みにミックスしたいニーズはやはりあります。なので、いずれ、smart:EQ内でミックスバスを作って階層構造的に膨大なトラックを操れるようになるかもしれませんが、現段階で、楽曲内での各トラックの「役割」を考えれば10個はそれなりに多いほうと捉えられるだろうと個人的には思います。

Wytse Gerichhausenによるレビューはこちら。
WG「Pro:Qより断然こっちだよね」
Pro:Q愛好者「いやいやいやいや」