e-instruments “Desolate Guitars”

地味な製品が多いので滅多に取り上げないe-instruments社製品ですが、新作のDesolate Guitarsは、地味は地味でもいいとこに目をつけたなってのと、同社製品としての操作性に進歩が見られたので取り上げることにしました。
一般にはサンプルライブラリーってリアルな演奏を実現するために凝りまくり、場合によってはそれによってサイズが膨大になって、値段も高騰するって傾向があるのだけど、良くも悪くも割り切ってるといえるし、旧来のサンプル”集”に出力時のインタラクティブ性を備えたって意味でなかなか価値ある製品に仕上がってると思います。
特に質感を確実に保ったままのアンプのミックスバランス、トレモロ速度や深さの設定、スプリングリバーブの深さ、エフェクトのシグナルパスの操作(およびオートメーション効果)が秀逸。
奏法ごとにスナップショットを切り替える必要があったり、モジュレーションホイールの操作がモニターされる右上のメーターが(使用するスナップショットによっては)単純な2値でしかなくてダイナミズムを感じにくい場面があるのが難。

トライアドコードのサンプルが収録されていて、これはいわゆる旧来のスタイルなのだけど、最近のサンプルライブラリーって別々のコードを重ねて新しい響きを生み出す(アッパーストラクチャの考えとは別)デトロイト的な鳴らし方がむしろできないようになってるため、デモ版に触れて、楽しかったあの頃と通路がつながったような印象を得ました。