Rob Papenの製品は今までなんとなく避けていたんですが、SoundBytes Magazineが B.I.T. をレビューしてるってことで、この機会に自分も触ってみようかなと。
Back In Timeの頭文字を取ったと仰るように構造はオーソドックスで、デザインをはじめとして懐かし〜い感じに満ちています。
こういう色合いのソフトシンセ、昔からよくありますよね。
ざくざくいじった限り、オシレーター波形もフィルター種も決して多くもないのだけど、その代わりサウンドクオリティが高いまま維持されてるのがわかります。
PM, FM, Ringといったモジュレーションおよび自身のフィードバック機能についても同様で、今どきのたとえばWavetableシンセだとすぐガリガリいう音になっちゃうのに比べると、(人によっては味気ないというかもしれませんが)ピュアな音のままエディットを進めていけるため、激しい音楽を卒業して丁寧な音楽に足を進めた人にとっては有効な武器の一つとなりそう。
特筆すべきはプリセットのクオリティで、ぽちぽちと順番に切り替えて鳴らしていくとたまに「えっ!?」ってのがあります。
上の”Genome Fail JoMal”なんかはしばらく考え込んでしまいました。JoMalというのはこのサウンドデザイナーの方(JoMal Music and Sound Design – Home)ですかね。JoMal印のついたプリセットサウンドはおおむねトリッキー。サウンドメイキングの刺激となりそう。
ほかに、Spire同様にUnison機能を利用して鳴らされるコード音色も、Spire同様の微妙なピッチのズレはあるものの、非常に雰囲気がいい。昔のように、この音色に合う曲を作ってみようっていう気に一瞬なります。
SoundBytesのレビューでも記されていましたが、わかりやすさはほしい。
ほぼ初見である僕が思ったのは「サブオシレーター、そこかい…」「ノイズだけなんで囲われてるんだ…」「ADVの中にEGとLFOがまだあるんかい…」「DELAYとREVERBは二択かと思ったら単なる表示の切り替えボタンかい…」「いちばん偉そうな中央上部がヒントウィンドウかい…」「ARPのFREEってなんじゃい…」などの独自性に対する違和感。
今のオーソドックスなシンセ音源に慣れた人にとってはちょっとあたふたしそうな構成かなと思いました。