前からあったらしい、 Psychic Modulation Phonec がVersion 2にアップデートとのこと。
で、すいません、Phonecを全然知りませんでした。
コンセプトはVHS隆盛の80年代の映像冒頭のロゴで聞いたようなサウンドということ。
「VHS」は一定の年齢以上の方には新しい言葉でも全くないんですが、この2,3週間くらいで僕の観測範囲にも頻繁に現れるようになりました。
いちおう元の意味を引用させていただくと、この通り。
VHSとはVideo Home Systemの略。1976年に日本ビクターが開発した家庭用VTR用の1/2インチ幅の磁気テープのこと。その後の開発で上位規格であるS-VHSやD-VHSが登場したが、それらは対応した磁気ヘッドとテープを使用しなくてはならない。
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えらく雑なくくりの話が許されるならば、この辺が関係してくるのかな。
- Vladimir Cauchemar – Aulos (Official Music Video) – YouTube
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- meisterjaan – Yomidaiganesmees – YouTube
- 世界でいちばんダサいPV – YouTube (これは1978年ごろ)
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映像の話は門外漢なのでここまでにしておいて、Synth 1( https://www.kvraudio.com/product/synth1-by-ichiro-toda )を彷彿とさせる出で立ちのPhonec 2ですが、そのサウンドはというとたしかにどこかで聞いた感じの懐かしいシンセサウンド。
で、なかなか雰囲気がある。
Reaktorのシンセでこれに近い方向性のものとは微妙に違い、空気感を伴っている印象。なんか、うまいこと言葉に出来ないのだけど。
この間の日記でJV-1080のこと書きましたが、それより時代はさらに前、世の中が「シンセ、何それ、おいしいの?」くらいの雰囲気のときのサウンドを思わせるもので、好きな人にはたまらないクオリティになっていると思います。
と書くといくぶん汚れた音を連想してしまいそうですが、汚す前の音。汚したければ別途汚すのが吉。
あ、わかりやすいのはやっぱりBlade Runner辺りってことになるんですかね。
ここのところVangelisなりBlade Runner ThemeなりChariots of Fireを今のシンセで再現したYouTube映像がちょくちょく上がっていたようですが、Phonec 2も含めてあんな感じのサウンドがひとつの流行りになっているんでしょう。南極物語もVangelisでしたね、そういや。
余談ですが、中高生くらいの時期だったか、TVの特番で九死に一生な映像(具体的には凍った川に落ちた人をヘリでレスキューするシーンだった気がする)がBlade RunnerのエンディングをBGMとして使っていたせいで、僕の中ではいまだにあの曲はBlade RunnerってよりTVの特番用BGMって印象強いです。
とりあえず、あのベクトルのサウンドです(雑)。CS-80に限定されるわけではないのですが。
最近アフタータッチ対応のシンセってほとんど見なくなったなあ…。
Phonec 2は2つのオシレーターの合成方式が面白いですね。
こういう日記をたびたび書いておきながら古いシンセのことはよく知らん(MATRIXSYNTHって海外の老舗サイトがかつて「俺はシンセのことはよく知らんが、古いシンセがeBayなんかに上がってるのは好きだ」と嘯いたようなもの)ので、この合成方式のシンセが昔あったかどうかもわからんのですが、Phonec 2の合成方式として、Mixは当然のこと、And/Or/Xorってのが続きます(ほかRing, Sync, X-Wave)。シンセサイズがもともと「合成」って意味なら、And/Or/Xorが続くのもむべなるべし。
最終出口近くにあるMELTってパラメーターは(これが気になってデモを落とした)音を不安定にするもので、CircuitとTapeの2種類あります。
オシレーター部にあるDRIFTが2つのオシレーターに別々に利くものであるのに対し、MELTはまとめてかかってるっぽい。
たぶんマニュアルありそうですが、読んでません。
見た目が複雑そうに見えてわりとシンプル。
淡白そうに見えてわりと奥が深い。
そっけなく見えてわりとオーディオトリートメントの芸が細かい。
など、いい意味でなかなか裏腹なソフトなので、VaporwaveやFuture Funk辺りに手を出すなら、あるいは意図的にレトロっぽい映像作品に対して音を付けたいなら、持っておいてもいいなと思いました。
お値段は¥8,000弱かな、今の為替でいうと。