昨年暮れ近くにリリースされた Roland Cloud “JV-1080″。
いっこうにDLが終わらず、例によってネット接続速度の問題かと思いきやどうも違ったようで、現在インストールも無事済んでます。
こうしたら治ったって情報は、こちらに記しました。

現在Roland Cloudで使えるラインナップは次の通り。
AIRA | SYSTEM-8 |
SYSTEM-1 | |
Legendary | JUPITER-8 |
D-50 Linear Synthesizer | |
JV-1080 | |
SH-101 | |
JUNO-106 | |
System 100 | |
Promars | |
SH-2 | |
Sound Canvas VA | |
Tera | Tera Guitar |
Tera Piano | |
Anthology | 1985 IS NOW |
Instant Eighties | |
1987 Coms back with a vengeance | |
Anthology 1990 | |
Rich and smooth (EP14) | |
Symphonic legacy | |
Flavr | Create Complex Music Sans Complications (Electrode by James Egbert) |
Roland Cloud is Redefining the Retro Future (Midnight by James Egbert) | |
Texture and substance for your creative dance mix (Grit by SVYR) | |
Guaranteed to get booties shakin’ (Funky Fever by SyncBeats) |
ひっそりとEP14, Symphonic LegacyがLegendaryに追加されとりますが、正直、そのサウンドとしては今さら感漂うものでした。
それはともかくとして、僕の最近のお仕事は”当時の音色を再現した上で”みたいなのが多くて、Roland CloudなりKorg Collectionなりで手近に済むようになったのはとても助かります。
JV-1080、そのデキは?

クロニクル(アーカイブ)によるとJV-1080の登場は1994年とのこと。
うちにあったJV-2080は1997年とありますね。当時、拡張ボードを差して自分好みの音にした上で、5Uのラックにミキサーなどとともに詰めてバンドのライブに持ち運んでました。
所有していた2080と所有していなかった1080との違いこそあるものの、ソフトウェアの完成度は非常に高く、ほぼまんまの音で再現されています。懐かしさが込み上げてきます。
果たしてソフトウェアでの再現度でどうかなと身構えていたのは、これらの点。
- ランダムパンの実装状態
- 音声が圧縮気味に聞こえないかどうか
- 独特なフィルタレゾナンスの再現度
- エフェクト、特にディストーションの質感の再現度
結論、いずれも特に違和感感じられず、高い精度で再現されていました。音色の切り替えも早い。
当然のことながら、かつてのようなMIDI伝送の遅れなど発生しないので音もシャキシャキ鳴ります。
かえってそれが不自然と感じる人は何かしら頑張ってあえて負荷をかけるといいかもですね。
音色によって芯が細く聞こえたり、腰高に聞こえたり、位相が不思議に聞こえたりもするのですが、これもおそらく当時アナログな環境でサウンドを聞いていた記憶との差異によると思われます。
思い返せばFA-06のレビューのときにかつてのJV系のサウンドがチャリチャリして聞こえるみたいに書いた気がしますが、レビュー時、USBオーディオでなくアナログ結線でチェックしてて、いま改めてUSBオーディオでつないだFA-06の音とRoland Cloud JV-1080の音とを聴き比べてみると、多少FAの中低域が弱いかなって印象がある程度でほぼ変わらずです。
ということは…FAのアナログ出力に何かがっかりさせる要因があるのかもしれんですね。
最近ソフトでのサウンドエディットにつまらなさを感じてNord Electroを鳴らしたり、一年ぶりにFA-06をケースから出して使ったりして、空気感の作りやすさを感じてます。
これは十中八九、自分がハードウェア音源の時代を過ごしてきたからってのが理由でしょう。
そのハードウェアがソフトウェアとして動かせるようになったので、またFA-06は押入れに戻っていくと思われます。
D-50由来のFantasia JV、Stacc. Heavenといったシンセベル音色、それからPsycho EP、West Coastといったピアノ/エレピ音色、Raggatronic、RunningPadといったサンプルホールドライク(Pulsativeというカテゴリーになっている)な音色が自分の好みで、なかなかソフトで再現できなかったものですんで、またちょいちょい使っていくんじゃないかな。
拡張ボードの音色は未収録
大きな醍醐味でもある拡張ボードの音色ですが、どうも全く収録されていなそう。
KORGのCollectionが拡張音源も余すところなく収録しているのとはちょっと違いますね。
でも、先ほど書いたSymphonic Legacyの音はJV-1080や2080のときにも拡張ボードに収録された音であり、そんな感じで追加でポツポツ登場するのかもしれません。
World、Vintage Synth、Sound FX辺りはなかなかオイシイので登場に期待したい。
操作性
Roland Cloudのソフト音源の最大のネックは、音色一覧ウィンドウを開いているとメイン画面どころかDAW自体コントロールできなくなるところ。
⌘+Wで閉じられるものの、いずれにせよ煩わしいです。改善希望。
まとめ
数年隔てて再び自分にとって馴染み深い音にまみえて、再現性に驚く一方、今の曲に使うとなると時代錯誤感が強まってしまうので使いどこが難しくはあります。
でも今の製品では考えられないような緻密な音色の作り込みに初心が蘇らされる気がします。