【新機能】 Logic Pro 10.7.5

Logic Pro 10.7.5
Logic Pro 10.7.5

久しぶりのアップデートで結構大きな変化がありますので、かいつまんで取り上げます。
ユーザガイド内にまとめられた内容と照らし合わせながらまとめます。

フリーテンポ録音とその他のスマートテンポの強化

「フリーテンポを記録」ボタンを使用して、メトロノームや設定されているテンポに合わせずに新しいプロジェクトまたは既存のプロジェクトにオーディオを録音できます。これにより、テンポの正確さを気にせずにアイデアを素早く記録したり、自由なテンポやタイミングで素材を録音したり、新しいコンテンツを録音した演奏のテンポに自然に合わせたりできるようになります。Logic Proでフリーテンポ録音を使用するを参照してください。

ダウンビートとビートのヒントを追加/編集してスマートテンポ解析の結果を改善したり、拍子のヒントをダウンビートに追加して拍子の変更を定義したりできます。Logic Proのスマート・テンポ・エディタで作業するおよびLogic Proでヒントを使用してテンポ解析を改善するを参照してください。

スマート・テンポ・エディタでヒントまたはビートマーカーを使用して編集を行い、満足のいく結果が得られたら、編集した箇所が含まれている範囲をロックしてファイルの残りの部分の作業を続けることができます。範囲をロックすると、以降に編集や新しいテンポ解析を行ってもその範囲は変更されません。範囲をロックしてスマートテンポの編集内容を保護するを参照してください。

新しい機械学習ベースのシステムにより、オーディオファイルと録音のスマートテンポ解析が大幅に改善されました。Logic Proのスマート・テンポ・エディタで作業するを参照してください。

フリーテンポ
フリーテンポ
フリーテンポ
フリーテンポ

録音ボタンを右クリックで出てくるものっぽい。録音したものをそのまま分析にかけるみたいな感じ。

パーソナライズされた空間オーディオに対応

macOS 13以降のLogic Pro 10.7.5はパーソナライズされた空間オーディオにも対応しています。対応するiPhoneで、頭と耳の測定を基にカスタマイズして作成できるプロファイルを使用することで、ヘッドフォンを使用した際のより正確な、臨場感あふれるオーディオ体験がもたらされます。

これはiOS16との連携機能のようですね。うちでは使ってないのでスルーします。

Abletonリンクに対応

Logic Pro 10.7.5はAbleton Linkに対応しています。Ableton Linkは同じコンピュータまたは共有ネットワーク上にあるLink対応アプリケーション間で拍、進行、テンポを同期させるためのプロトコルです。異なるデバイス間で再生を同期したり、ジャムセッションに参加したりできます。Logic ProでのAbleton Linkを参照してください。

Ableton Link
Ableton Link
Ableton Link
Ableton Link

同期ボタンをControl+クリックで出てきます。
これはまさかの機能でしたね。Live Loopsと合わせたり、あるいはiOSのLink対応ソフトの音をLogicに録音しながらなど、少し狙ったことができるようになるかもしれません。

Ableton Link

MIDIプラグインの出力を録音する

MIDIプラグインが録音できるようになり、録音したノートやコントローラデータを詳細に編集できます。 MIDIプラグインの出力を録音するを参照してください。

MIDIプラグインの記録
MIDIプラグインの記録
MIDIプラグインの記録
MIDIプラグインの記録

MIDI FXを使った場合に実際に出力されるフレーズをキャプチャするのが大変だったのですが、これで簡単になりますね。MIDI FXにはLogic純正のもの以外にNI Reaktorのものや、音楽理論系やコードサポート系の制作支援ソフトなどあり、たとえばいざMIDIデータを書き出そうとすると反映されないなど、困ってた人にはありがたい機能だと思います。
当該MIDI FXのメニューの最下部にトグル型の項目があり、Onになると上のスクショのように▶印が表示されます。再度項目をクリックしてOffにすると▶は消えます。

ゲインツールを使用してオーディオリージョンのゲインを編集する

ゲインツールでは、トラック領域のオーディオリージョンのゲインを素早く簡単に調整することができます。トラック領域でオーディオリージョンのゲインを編集するを参照してください。

ゲインツール
ゲインツール

メニュー最下部にゲインツールがあり、ProTools等のように個々のオーディオリージョンをドラッグでゲイン変更できるようになります。とはいえ、リージョンインスペクタで行う操作の近道ってだけかもしれない。
詳しく確かめてはいないのですが、調整したゲインの値が常時表示されるわけでもないっぽい。

ネストされたTrack Stack

フォルダスタックとサミングスタックの両方にネストされたTrack Stackを含められるようになり、プロジェクトをさらに柔軟に整理できます。Track Stackを作成する/編集するを参照してください。

ネストされたトラックスタック
ネストされたトラックスタック

2段まではネスト(入れ子)できるようになりました。

Pedalboardストンプボックスを独立したプラグインとして使用する

Pedalboardに含まれる35個のストンプボックスが、オーディオトラックおよびソフトウェア音源トラックの両方で個別のプラグインとして使用できるようになりました。

ストンプボックスの概要を参照してください。

ストンプボックスの独立
ストンプボックスの独立

オートメーションさせる場合にやりやすくなったかもしれませんね。ワーミーなんかも独立して使えるようになってます。

新しいサウンドパック

Logic Pro 10.7.5には、Beat Tape(ヒップホップ)とモジュラーリズム(シンセドラム)という2つの新しいサウンドパックが含まれています。新しいサウンドパックは、サウンド・ライブラリ・マネージャの「サウンドパック」セクションからダウンロードできます。Logic Pro コンテンツを管理するを参照してください。

おそらくダウンロードが集中してサーバーが重くなると思うので、後回しにしたほうがいいでしょう。「サウンドパック」という概念が爆誕したみたいです。

「Logic Pro」設定とプロジェクト設定

「Logic Pro」環境設定は、macOS Venturaに合わせて「Logic Pro」設定に名称変更されました。Logic Proの設定の概要を参照してください。

「Logic Pro」>「設定」>「オートメーション」で新しい「不変の値の位置でのカット時にノードを作成」チェックボックスを選択すると、カット位置のMIDIイベントが新しいリージョンに複製されます。Logic Proのオートメーション設定を参照してください。

「トラック表示」設定の「リージョンカラー」パラメータを「トラックカラーとして」に設定した場合、「録音」プロジェクト設定の「自動的にテイクに色を付ける」チェックボックスが無効化されるようになりました。

突貫で翻訳された感が漂っていますが、これらは説明不要かも。

32ビットファイルの読み込み

32ビット浮動小数点のオーディオファイルをネイティブでLogic Proに読み込めるようになりました。 Logic Proのメディアとファイルフォーマットを参照してください。

32ビットフロートに対応
32ビットフロートに対応

これで、ProToolsのレコーディングファイル等でよけいな中間ファイルを作らずにLogicにインポートできるようになりました。処理負荷は未検証。

プラグインマネージャの整理が向上

プラグインマネージャでプラグインを選択すると、そのプラグインがコピーされたすべてのカテゴリが淡色表示され、プラグインをどのように整理したかがより分かりやすくなりました。

プラグインマネージャ
プラグインマネージャ

たとえばスクショの場合だと、MicroってプラグインをFilterカテゴリにも登録してますよ、というのがわかります。

その他の強化

ミキサーのローカルの「編集」メニューで、現在選択中のチャンネルストリップと同じパンナータイプのチャンネルストリップを選択できる新しいコマンドが使えるようになりました。

Auto Samplerのラウンドロビン機能が8から32に増加しました。

マーカーリストの「コピー」コマンドが、表示オプションの「長さを絶対位置で表示」に従うようになりました。ロック情報も含まれ、マーカーリストの非表示列や列順も考慮されます。

同じパンナータイプ
同じパンナータイプ

イマーシブなミックスを目指すと、同じパンナータイプの選択はけっこう大事なアップデートかもしれません。

だいたいこんなとこですかね。

デモプロジェクトがこうなったのは前回のアップデート時かな…
デモプロジェクトがこうなったのは前回のアップデート時かな…