Audiomodern “Loopmix”
Loopmix by Audiomodern
Audiomodernからループシーケンサー、Loopmixが登場。
最大6つのループを小節単位にぴしっと合うようにトラックに収めてスライスし、スライスごとにSEQUENCER, RE-ARRANGE, REVERSE, DENSITY, VOLUME, PITCHを施せる仕組み。
- SEQUENCER: 各グリッドでどのスライスを鳴らすか指定可能(テイクのセレクトみたいな機能)
- RE-ARRANGE: スライスの並べ替え
- REVERSE: スライスをランダムに逆再生
- DENSITY: スライス内を分割しショートループに(グリッチっぽくなる)
- VOLUME: スライスごとのボリューム変化
- PITCH: スライスごとのピッチ変化
正直なところ使えるようでいて使う場面が限定されるため万人向けとは言い難いのですが、たとえば作成中の曲を軽くバウンスして取り込んだり、(スタンドアローンでも起動し、MIDIキーボードによる制御が可能なので)ライブの際に盛り上げ材料として使うなり、活用方法がユーザーに委ねられてるとも言えます。
Audiomodern社のソフトはランダムの制御を特徴の一つとし、ランダムの苦手とする「再現性」はプリセット保存の形で保護しています。
最近、ダイス(サイコロ)のアイコンでランダマイズ機能を搭載したソフトが多いのですが、ランダマイズ発効後キープしておいてほしいとこまで設定を変えられてしまうものも多い。ランダマイズさせないためのロック機能を搭載することでランダマイズ対象から外す手法もあるんですが、個人的には、対象から外すのに一手間かけさせられる意味がわかんない。そこいくと、Loopmixもロック機能は備えているけれども、それ以前に「どの程度」ランダマイズさせるかの選択肢の中に「部分的にランダマイズさせない」が含まれている、またはそう設定できるものをランダマイズ対象に選んであるのが有り難い。すごく地味な部分だけど、開発した”つもり”で終わってないのがいいところ。
インフィニティ・モードやディスインテグレーション・モードなど、そこまで大事でもないけどあればあったで助かる機能も、実用性がもっと浸透するといいかもですね。
以前Audiomodernのフリーウェア製品に関しておさらいしたときに書いたように、UIの見た目が共通しているのにソフトごとに機能が微妙に異なるなど、ユーザーを混乱させる要素を排除しきれていないのが気にかかります。
【メモ】Audiomodern 社のフリーウェアの微妙な仕様の差異
Loopmixにおいては、SEQUENCERやRE-ARRANGEノブにもそれぞれの機能用のランダマイザーが備わっていて、上部中央の大きなボタンで全部まとめてランダマイズできる仕組みになっているのですが、本来それぞれの機能の電源ボタンをOffにすればまとめてランダマイズの対象から外れるはずなのに、何らかの特定条件下で、それぞれの機能の電源ボタンがOffになっていてもランダマイズされてしまうバグ(仕様?)が発生するのをうちの環境では確認しています。この特定条件を突き止められなかったため、バグなのか仕様なのか定かではありませんが、上に書いたような、ランダマイズ対象から外すという売りの部分が怪しいのも玉に瑕です。
あくまでIMOですが、独自のものを作れる発想が素晴らしいので、仕様(ビジュアルではなく)の齟齬が無くなって、実用的なデモンストレーションがなされるようになるといいなと思います。推しているだけに(こちらがどうにか対処できるのではない部分で)ケチが付いちゃうのが惜しいのですよ。