Impact Soundworks “Rosette: Fingerstyle”

TOKYO SCORING STRINGSのシリーズものといえるTOKYO SCORING DRUM KITSを準備中のImpact Soundworksが、新しくアコギのサンプルライブラリーのシリーズ Rosette をスタートさせました。
Shreddage 3.5エンジンへのアップデートを終えていよいよって体勢らしい。
その第一弾となる Rosette: Fingerstyle は、スチール弦を張った指弾きで、最初に取り掛かるものとしては少し変化球。

TOKYO SCORING DRUM KITSに関してはいずれ情報が明らかになり次第、うちでも可能な範囲で取り上げるつもりです。どこまで情報を知れるかわかりませんが。

話戻って Rosette: Fingerstyle を先ほど変化球と書いたのは、何も製品のサウンドクオリティが露骨に現れる素材を選ばなくてよかったんでは、と思ったから。
もちろん最高のサウンドで収録されて、最高の手法で再現されたら言うことなしなのですが、デモ動画を見てもわかるように、やっぱり少し無理があるように感じるんですよね。コンプが強すぎるせいかもしれませんが。

ただ、第一弾なので、少しずつエンジン部分に工夫が加えられてバージョンアップされる期待があります。ことImpact Soundworksにあっては、他のデベロッパーに比べてサンプルライブラリーのバージョンアップに積極的だって面がある(Kontaktのサンプルライブラリーは大容量こそ正義って観念が定着していて、インストーラーがセットになってないと差分によるバージョンアップを行いづらいと思う;最新版の仕様は知らない)ので、注視し続ける価値はあると思います。

奏法はなかなか幅広くカバーされていて、およそアコギで考えられるサウンドはほぼ網羅されてると思います。

Impact Soundworksのアコギのライブラリーはこれまで、アコギのフレーズループをまとめたAcoustic Revolutionsのみで、その後エレキギターの特にメタルサウンドをフィーチャーした製品の比重が高かった。充分なノウハウが得られたため繊細なアコギライブラリーの開発に取り掛かったという流れと見えます。

ちなみに、この製品とタイミングをほぼ同じくして、スタンドアローンにも対応したエレキギター用のアンプシミュレータープラグイン、Shreddage Amp XTCがリリースされていて、こちらも、回路図からサウンドの再現を試みたという面白い切り口の製品です。
デモ版を試してみた感じ、他社の競合製品のようなギリギリガリガリ言うようなサウンドとは少し異なり、完全なオーバーサンプリングであればこういう音になるんだろうなという、良くも悪くも洗練された音でした。荒々しさを好む人には物足りないかもしれません。

個人的にですが、総じて、あともう一歩足りないという印象です。

情報

Rosette: Fingerstyle

  • Kontak Player 6.7対応
  • 11GB
  • 定価$179

Shreddage Amp XTC

  • Windows, macOS対応(Silicon対応)
  • AAX, VST3, AU対応、スタンドアローン対応
  • 定価$79