オーストリアのRebeat Innovationなる会社が、 HD Vinyl (ハイ・デンシティ・バイナル)なるものを2019年には市場に投入する見込み。
HD Vinyl To Hit Stores In 2019 After $4.8M Investment
You could own ‘HD vinyl’ by 2019
オフィシャルサイトの説明によると、
- ハイレゾのオーディオファイルを元にするので、3Dマップ化して溝を彫る際に必要最低限の溝に抑えられる
- 再生時のアームの角度の影響を補正することで従来より30%程度長い再生時間を記録できる(参照:Thales – Technology(リンク切れ) , Phono CARTRIDGE Mounting, TONEARM Alignment TOOL, TURNTABLE Set-Up, Calibration, VTA, BIAS Compensation ADJUSTMENT.(アーカイブ))
- 音量の制約も突破できる余裕がなおある
こうして従来のLPレコードより高音質、大音量、長時間の音源を記録し、S/Nも良し、おまけにダブ・プレートやマザーといった中間過程を経ずレーザーで一発加工を行うので従来の製法で必要とされる素材を削減でき、製造工程中のコピーによる劣化も抑えられるとのこと。
10月にデトロイトで開催されるMaking Vinyl Conferenceでの船出に向けてこの秋にはテストスタンパーを工場に配備。来夏には実際の製品をショップに並べるという目論見のようです。
価格や生産量など思うとこはありますが、技術としては面白いと思いました。
先日タモリ倶楽部で高価なレコードプレーヤーが取り上げられ、最後に紹介されたレーザー式のレコードプレーヤーはたしか160万だったかと記憶してます。普及版としても80万くらいだったか。
HDバイナルは市販の低価格な再生機器でも鳴らせるという触れ込みですが、おそらくそれで性能を充分に活かすことはないように思えるんで、当面、お財布にゆとりのあるマニア向けのメディアの域を出ない気がします。ポテンシャルをフルに活かしたメディアともなるとその劣化を防ぐ保管方法にも最新の注意が必要になりそうですからねえ。
高音質をより安価で楽しめる環境もしくはメンテのラクな再生環境も同時に登場してくれたなら状況は変わるかもしれません。
なおHDバイナルは100kHzまで記録できるそうなので、ポテンシャルを活かそうとしたらマスタリングには192kHzの環境が必要になりそうですよ。