Guk.ai “Sistema” – AI駆動のシンセ

Guk.ai “Sistema”

Sistema by guk.ai
Sistema by guk.ai

オランダのアムステルダムに拠点を置く guk.ai による、AI駆動のソフトシンセ Sistema がお目見え。

220920追記

LogicでのValidationが通らない問題を修正した、と開発者のMaximから今しがた連絡をいただきました。

概要

カテゴリーとサブカテゴリー(キャラクター)で音色の方向性をザクッと定め、中央のボタンでバリエーションが自動的に作成されます。気に入ったらプリセットとして保存しておきます。Aura, Boost, Darkness, Dynamite, Massive, Tensionの6つ中4つをノブにアサインして微調整を加える、といった使い方ですね。
使用にあたっては2種類のサブスクか永続ライセンスかを選ぶことができ、お手頃価格のサブスクだと月に2000音色まで生成、Pro版のサブスクだと制限なし、いずれもクラウドにプリセットが保存され、3ヶ月おきに特製のサンプルパックが配布され、ロイヤリティフリーで音色を使うことができ、アップデートが即座に適用、ってプランになっています。永続ライセンス版はPro版の内容で一括払い。

操作感と感想

特有の音質の荒れと開発段階

ざっと試してみた印象としては、AIを謳うシンセにありがちな、転送率の低いPCMを使ったような質感が気になりました(数年前にGoogleがチャレンジしていたものも、計算の軽量化を期したような転送率の低そうな質感でした)。SistemaではAiry系の音色にベル系の倍音が強めに混じったものが目立つのですが、特にそのベル系の倍音成分が小刻みにブレて、心地よい揺らぎを感じませんね。デモ版だからってことなのか、開発がまだ途中段階なのかはわかりませんが。
ただ、製品のベクトルは完全にアリだと思います。真ん中のボタンを押して、趣の違う音色が鳴るときの感覚は今までにあまり無かったもので、延々と膨大な音色リストをたどっている間に本来求めていた音色がわからなくなってしまう苛立ちに比べると、遥かに健全な気がします。それだけに倍音の荒れが悔しい感じ。

アナログ風とPCM風との混在、良しや悪しや

アナログシンセっぽい音とPCMっぽい音が混在しているのは、気に入らない音色を差し替えるのにプラグインごと差し替える必要のあった今までのまどろっこしさから考えると歓迎すべき点でありつつ、求める精度がそこまで高くないなら、もしくはアナログまたはPCMっぽさを残したままでブラッシュアップさせようと思ったなら、これは少し不便な点のように思いました。もっとも、そこまでのこだわりを必要としないなら、もしくは「あと一音色、何か加えるときに何を加えればいいか思いつかない」みたいなときには便利な気がします。

「思いつかない」をスキップする工夫

面白い点、一つ。勘違いでなければですが、音色に勝手に名前が付いてくれるようで。
保存時に音色名が思いつかずBass 001とかLead 016とかあるいは日付とか、後で見ても音色がわからん状態になっちゃうのをある程度回避できます。日本人には馴染みの薄い英単語の羅列になってしまうのはアレですが、この自動命名機能だけでも一般化してくれていい気がします。

将来性あり

1800人近いプロデューサーがSistemaを選んだ、とWebに記されています。
どうとらえるかは人それぞれだとは思いますが、期待を込めた投資には値すると思います。このコンセプトのままもっともっと品質が向上したなら、かなり強力なツールになるんじゃないでしょうか。

情報

  • macOS, Windows対応
  • VST3, AU対応
  • Bedroom: $10/m, Pro: $30/m, 永続ライセンス: $500