EVAbeat “Melody Sauce 2”
以前から好評のEVAbeat(Zendeskやメール、ユーザーSurveyのページでの表記に従った)のMelody Sauce 2。先日、Logic Proからのオートメーションにからんであれこれ記したので、必要ならばそちらもご参考に。
オートメーションさせにくい設計になっている点で魅力の半分を失っていると、いや、もっと言い回しはきちんとしてますが、そうしたレビューをEVAbeat社にも送りましたんで、もしかしたらライブパフォーマンスに耐えうる機能向上が訪れるかもしれません。機能の根幹に関わる部分なので、そう簡単ではないとも思いますが。
AIによるメロディ生成って、見事!って思えるものが正直少ないのですが、それらと比べて非常によく出来ていると思います。もちろん生成物すべてが完璧ではないのだけど、当たり率はかなり高め。
いったん生成されたけど何か惜しいなと感じた場合に、イチかバチかでもう一回ボタンを押して「さっきのほうがよかった。」となることも多い。じゃあアンドゥできればいいのかというと、この製品のように、よさげなものをMELODY BANKでファボればいい、この設計にしたのは大正解だと思います。
また、こうしたメロディやコードの生成を行うソフトに搭載される音源には、超シンプルな音色を収めたものが多いのですが、こちらは、EGの調整などは出来ないものの94個ほどのよく耳にする音色が収められており、単純にソフト音源としても使いやすいと思います。音色のエディット機能までいくと行き過ぎなので、せいぜいセットで購入できるソフト音源が販売されるのもいいかなと。
ちなみに中央の9つのパッドが若干紛らわしいのですが、これで音階を奏でようってのではないようで(そういう使い方もできるのかもしれないが確認できなかった)、複雑さや旋律の明るさが割り振られたマトリックス上の生成ボタンとして機能します。
使用されるスケールは正直充実してると言い難い。なのでちょっとジャジーな要素やクラシカルな要素、ジプシー調の要素を持った音楽のような、スパイスの効いたメロディを生成させるのは厳しい。いまや猫も杓子もな感じの使用頻度のJust the Two of Usのコード進行に沿う、ドラマチックなオブリガートを作りたいってニーズにも、惜しくも応えきれません。
とはいえ、そうした猪口才なコード進行でもおおむねペンタトニックで乗り切れはするので、それを内包しうるスケールを使って、MIDIをDAWに貼り付けてゴニョゴニョすれば、そこまで困ることもないでしょう(スケールというかKEYの選択肢にペンタトニックやブルースがあってもいいような気はするが)。
何にせよ、自分の作るメロディがマンネリ化してしまったとか、スランプで何も思いつかないとか、短期間で膨大な曲数をこなさなきゃいけないとか、まだ作ったことのないジャンルに挑んでみたいとか、そういった日常的な悩みやニーズに応え得るものとしては、現段階では最優秀じゃないかなと思います。
この界隈、日進月歩なので、もっと凄いものがまたすぐ出てくるかもしれませんが、いま、このタイミングで片腕を必要とする人にはオススメしていいと思います。