Devious Machines “Pitch Monster” でふと思い出した

以前、Textureという一種のノイズ・ジェネレーターを紹介したDevious Machines(リンク先、Plugin Boutique)から Pitch Monster というハーモナイザーがリリースされました。定価£79.99で、イントロ価格£59.99。

Granular, Formant, Vocodeの3つの加工方式に対して、Normal, MIDI, Chordの3つの制御方式がつき、それぞれに調整可能なパラメーターが幾つか。
試してみるとわかりますが意外に多機能で、たとえばGranularをWideモードにしてPitch Spread(+Jitter)とTime Spread(+Jitter)を適度に加えると、Vocal Doublerとして販売されている専用ソフトよりも多少ナチュラルなダブリング(に似た)効果が簡単に得られます。Vocodeもなかなか響きがイイ。
念のため、Jitterとは「揺らぎ」より細かいエラーのことで、のっぺりした結果を避けるために意図的に利用されたりします。

難点、3点ほど。
1点目は、すこぶるクオリティが高くもなく、それもゴリゴリとしたジャギー感があり、それを緩和する仕組みが備わっていないこと。
2点目は、構造上複数のサイドチェーンを持てないためVocoder音色がワンパターンなこと(iZotopeのVocalSynth2はそれでも数種類の音色を備えてる)。
3点目は、コードメモリーの呼び出し方がオートメーション方式のため、コード進行への追従が面倒なこと。
あとオマケで、そのノブの機能が有効な状態なのかわかりにくい。

Texture同様、コンセプト部分はニーズに届いてるのに、あと一歩ケアがあればなあって印象でした。

で、関連して思い出したのが、Logic純正のVocal Transformer。
今やflex機能や先日Cubaseにも乗っかったMelodyneのARA対応のお蔭でほぼ過去の遺物と化しつつあるのですが、実は地味に面白い。

グライドだけをかける
グライドだけをかける
ピッチの変化を倍にする
ピッチの変化を倍にする
ピッチの変化を逆にする
ピッチの変化を逆にする

ピッチトラッキングの機能がこっそり備わってるので、グライドだけかけて歌をヘロヘロにしたり、ヒステリーっぽくピッチ変化を倍にしたり、どこかの訛りのようにピッチの変化を逆にすることもできます。
著作権の関係で既存の曲を例示できないので、当たり障りなさそうな例をボーカロイドに喋らせてVocal Transformerをくぐらせてみます。

SonicChargeのBitspeekっていう、Speak&Spellっぽい音声にするエフェクターを合わせて使うことで、訛ったようなロボット音声っぽく加工することもできます(使い道はない)。

こういうエフェクターもある
こういうエフェクターもある
こういうエフェクターもある
こういうエフェクターもある

ボカロの場合PitchBendやらSensitivity使えるので、単体でピッチ遊びがすんなりできるのですが、実際の声、ましてベシャりともなるとパラメーターを持っているわけでもなくシンドいし、MelodyneやAutotune使うにはトゥーマッチな気もするってんで、ミニツールを使ってこういう遊びもできるってこと紹介しておこうと思った次第。
あ、もちろん、MacのSpeech機能やSiri(録音できれば)、Windowsのスピーチ機能(昔はAgentがあったけど、今もあるのかな)の声使ってもできます。ただし喋らせる内容の著作権には充分ご注意を。