Apple純正のAudioUnitsはちょいちょい活用させてもらってて、Logicからは見えないのに他のソフトからは見えるAudioUnitsプラグインが気になったりもするのだけど(下図)、それはまあ何となく理由がわかるのでよしとして。
AUPitch 、いわゆるピッチシフト用のプラグインが実はLogicからだと表示されるパラメーターが多いようで。
オーディオデータに対してピッチをギュンギュン動かすには便利なプラグインです。純正だから当然フリー。
Apple製AudioUnitsプラグインのリストの見え方
●AUPitchのパラメーターの見え方
AUPitchのプリセットを切り替えると値が変わるパラメーターも幾つかあるので本来は再合成用のhiddenなパラメーターってことなんでしょうけど、実際かなりクオリティに影響が出ます。ちなみにGarageBandでもだめ。
Ableton LiveやStudio OneなどのAudioUnits対応のDAWでAUPitchを使おうとした場合、この調整用パラメーターに手が届かない。
だけど、考えてみりゃプリセットさえ切り替えられれば、その設定値を使うことはできるんですよね。
…なのに! Ableton LiveやStudio Oneなどではこれらのパラメーターが見えないだけでなく、プリセットを読み込むこともできない。なぜなら、下のスクショのようにInternal Presetという扱いになっていて、Ableton LiveやStudio Oneなどからはリーチできないから。くっ…もどかしい!
ということで、せめてこれらのプリセットだけでもLogicなどを通じてユーザープリセット(.aupreset)として保存し直しとく。そうするとプリセットを読み込めるようになり、そのプリセットで設定された値に限っては選べるようになります。
文章にすると伝わりにくいんですけど、伝わってますかね。
要は、たとえばAbleton LiveでAUPitch使ったらクオリティがイマイチってときに、LogicでAUPitchのhiddenパラメーターを調整して.aupresetとして保存し直して、Ableton Liveで読み込み直さないといかんって話です。
なお、これらのパラメーターに関する説明はネット上じゃほとんど見つかりませんが、ライブラリ内のSDKsの奥底またはAudioToolbox.frameworkの奥底にあるAudioUnitParameters.hという書類の中にはほんのり記されています。
// Parameters for the AUTimePitch, AUTimePitch (offline), AUPitch units
CF_ENUM(AudioUnitParameterID) {
kTimePitchParam_Rate = 0,
kTimePitchParam_Pitch = 1,
kTimePitchParam_EffectBlend = 2 // only for the AUPitch unit
};
// Parameters for AUNewTimePitch
CF_ENUM(AudioUnitParameterID) {
// rate control.
// Global, rate, 1/32 -> 32.0, 1.0
kNewTimePitchParam_Rate = 0,
// pitch shift in cents.
// Global, Cents, -2400 -> 2400, 1.0
kNewTimePitchParam_Pitch = 1,
// Overlap is the number of overlapped spectral windows that are used to produce the output.
// The value of overlap is directly proportional to CPU cost. More overlaps can make smooth
// passages sound smoother. For percussive sound, a lower overlap may be better.
// Global, generic, 3.0 -> 32.0, 8.0
kNewTimePitchParam_Overlap = 4,
// Peak locking enforces phase coherence of spectral peaks.
// Peak locking adds some expense but results in a less "phasey"
// or reverberant sound, sometimes also called loss of presence.
// However the flip side is that it can sound more stuttery for some content.
// Global, Boolean, 0->1, 1
kNewTimePitchParam_EnablePeakLocking = 6
};
あと、ついでですが、AUReverb2。
AUMatrixReverbがさらに洗練されて…というものではなく簡易版。
それはいいのだけど、値を気ままにいじるとなかなか変態なハウリング音になってよろしい。