Logicのありがたい機能8選

なるテーマを海外記事でよく見かけるので便乗。ひさびさのLogic自体の記事。
一応ほかのDAWと比べつつ、異論は認めます。人それぞれですし。
ちなみに数字付きの記事題は好きじゃないので、今日以降また当分ないと思います。

1. インスペクタ

インスペクタは実に古くからLogicに備わっているもので、CubaseやStudio Oneにもあるのですが、MIDI、オーディオ、ドラマーなど個々のリージョンに対してのものと、トラックまるごとに対してのものとがあり、非破壊で行え、うちでは非常に重宝しています。

欲を言えば、トランスポーズ以外の設定状態はリージョンを選択しないと確認できないので、もう少し状況把握がラクな設計になるといいなと。これは他のDAWも同様ですが。

インスペクタに関しては過去記事でまとめてあるので、ご入用なら検索してくださいな。

2. MIDI FX

CubaseではMIDI Modifier、Ableton Liveでは固有のMIDIエフェクトの使用が可能。

上記インスペクタの延長上にあると言えるMIDI FXは、色々できつつも、うちではModifierとModulator程度しか使っていません。ところが、このあるとなしじゃ大違い。
細々としたMIDIの打ち込みを終えたあと、MIDIインストゥルメントを差し替えた際に設定変更にてんやわんやするよりは、Modifierで変換してしまう(たとえば弦楽器のエクスプレッションCC#01を一般的なCC#11に変換など)のがラク。ベロシティをピッチベンドに変換するとか、少しおかしなこともできます。

「MIDIをこのトラックに録音」機能の追加でやっと他DAWとの互換性への懸念なく使えるようになりました。

3. 低レイテンシーモード

トランスポートにボタンがずらずら並ぶ状態が好きではなく、ホントに必要なものしか表示しない自分でも、必ず表示させているボタンの一つ。プロジェクト設定内にもスイッチがあるのだけども。

Cubase等ではASIOが優秀なので不要。Ableton Liveでは悩みのタネの一つで、解消法の動画がYouTubeにたびたび上がってるのを見かけます。

自分の生演奏を録音して曲に使うようになって、ありがたみが倍増。
もちろん極端にトラック数が増えてくると、いかな低レイテンシーモードといえど不充分なので、制作の段取りを考慮する必要はあります。

4. バージョン管理、プロジェクト設定

地味にたびたび助かっているのが、たとえばステム書き出しやインプレイス前後、あるいはアレンジ違いでプロジェクトファイルを一つにまとめてしまえる代替バージョンと、別プロジェクトからチャンネルストリップ丸ごとや譜面の設定をコピーできちゃう、ブラウザでのプロジェクト設定読み込み機能。
現バージョンではかなり安定動作しているので、万が一の備えとして重宝します。

まれに致命的にプロジェクトファイルがぶっ壊れても、プロジェクト設定の読み込みがあれば、ある程度復活できます。こちらも過去記事に記したのでご入用なら検索どうぞ。

欲を言えば、たまに代替バージョンで使用しているオーディオファイルが整理で捨てられてしまう場合があるのを何とかしてほしい。整理自体はナイスな機能ですけどね。

5. 時間をカット/挿入

古くからのユーザーはこの機能のありがたみを痛感してるんじゃないかと思います。

たとえばだいぶ作業が進んでから、イントロや間奏が必要だなと思ったときなど、これまでであればリージョンを移動するだけでなくオートメーション(使っていれば)もちまちま動かさなくてはいけませんでした。

もちろん今はアレンジ機能やサイクルスキップを使用して、暫定的な確認作業が行えるようになっています(使ってないけど、ロケータの自動設定機能もとてもよい)。
似たような要求に複数の手法があるのは混乱の元ともいえますが、古くからのユーザーにとって時間をカット/挿入は効率的かつ問題の起きにくいありがたい機能。

欲を言えば、イントロ部分に無音を挿入するときくらいは、フリーズトラックを解凍しないでほしい。

余談ですが自分は作風上、アウフタクトをよく使用する(J-Pop全般そうかな)のだけど、Logicに限らずDAW全般ではどうも現状のリージョンの仕様では作業しづらいし、たまに削り取られるときすらあります。必要は発明の母なので、ここで何か画期的な方法を編み出すのもいいかも。インスペクタのDelayを使うとかかな。

6. テンポオペレーション

あまり使うことはないかもしれませんが、リタルダンドや、遊びでテンポをぐんにょりさせたいときにはテンポオペレーション機能がなかなか配慮細やかです。
ここでは「テンポカーブを作成」機能のみスクショ撮ってますが、テンポに揺れを与えたりも可能。

テンポ周りでいえばスマートテンポやビートマッピングなど、頻度は低いけどあると有り難い機能が充実しているように思います。
またテンポやキー、マーカーに代替トラック的な選択肢を持てるのも意外と有用。

テンポチェンジが入るとLogicの処理負荷ががぜん増えるのが残念。

7. エイリアス

LogicだけでなくCubaseやStudio Oneにも備わっていながら、Ableton Liveにはなくて度々無念なのがエイリアス(共有イベント)機能。
ただ、これは最近誤動作(オリジナルの誤認)することが増えてきていて、実用性に疑問を感じつつあります。

8. オーディオデータの最適化

最適化は、オーディオファイル内の使用リージョン以外を切り詰めちゃう機能で、先に記したように自分で演奏したものを録音するようになってから重宝するのですが、これも、代替プロジェクト機能を使用していた場合には整理によって惨事を招く可能性があるので痛し痒し。


2,3個を除き、古くからある機能を取り上げた内容になっちゃいましたね。
ここ最近の新機能はもちろん有り難く受け入れているのだけど、自分の作業上では今のとこ、そこまで活用の場がない現状であるのと、おそらく上記のものも含めてキーコマンドとの相性がけっこう影響してるんじゃないかと思います。なので、キーコマンドの編集画面がもう少し階層的に見やすくなってくれるとLogicの機能全体像も把握しやすくなるだろうにな、ってとこです。


次点いろいろ

カラーパレット

トラックカラーやリージョンカラーなどのカラーパレットが整然と並んでるのはイイ。

トラック名、リージョン名一括処理

トラック名をリージョン名に一括でリネームしたり、リージョン名を連番にしたりするのが簡単なのはイイ。


イマイチいろいろ

プラグインマネージャ

追加日を表示してほしい。
それと、これはLogicというよりプラグインソフトのデベロッパーに対してだけど、デベロッパー名、プラグインのファイル名をプラグインマネージャ内の表示と統一してほしい。けっこう切実。

Flex

便利には違いないのだけど、再生するごとに結果が変わる場合があるのが好きじゃない。

Smart Control

うちでは最小値最大値に制約を付けたい場合以外に出番ない。