いまの音楽ソフト界隈の印象
ここんとこの音楽ソフト界隈についての印象を筆任せで記します。予言でも何でもなく、印象論。
MusicTech誌でも見かけたとおり、NIやiZotopeのこの数年のアップデートに突破感がない。よく言えば彼らの考える完成形に既に達しているんでしょう。
名機のエミュレーションも既に飽和していて、少々マニアックな方面を向きつつあります。
DAWとAI
AIが台風の目となっている以上、DAW純正やユーティリティソフトで何らかの機能が出現すると思うが、他方、そちらにカロリー使いすぎて、AI以外の技術が生まれにくくなっている感あり。
というかAI、AI言い過ぎ。
プラグインエフェクト
各社から急にディレイだリバーブだコンプだの揃い踏みする傾向がどんどん強まっていて、前に伝えたようにAESでの講演会等が流行を先導してるんじゃないのかなあ、と(調べてすらいない)。
今時分の流行はどうもステレオ<>モノラル制御のように見える。あとVocalRiderみたいなのがもう2,3、どこかから出るんじゃないかな。
斬新な切り口のエフェクトってのはしばらくない。メーカー忘れたけど、楽器音にミュート(弱音器)を取り付けたのを模倣するエフェクト(結局はIRなんだろうけど)、あとはWavesfactoryのEqualizerが潔いなと思ったくらい。
サンプルライブラリ
冒頭に記したエミュレーション同様、世にある楽器はあらかた網羅されていて、マニアック方面にちょっと向いてる感。
録音技術や音響技法、ときおり実装方法の違いにフォーカスして新たにライブラリが作成されている印象。ビジネスとしてはそれ(楽器でなく技法にフォーカスしたライブラリ制作)が流れ上、必然的な解だと思うのですが、受け取る側や風潮としてはあんまり面白いと思わない。
同じライブラリのまま、録音技術や音響技法、ときおり実装方法の違いが現れるようになれば、いよいよ次のステップかなと思うのですが、そもそも技法のシミュレーション(エミュレーション)に対する信用は音楽の界隈においちゃ現状まだ充分に高くない、
ディビジやポリフォニックレガートの実装方法がさらにいろいろ検討されるのにも期待。
よからぬ対話姿勢
よからぬ対話姿勢が目に付きます。自分は好きなだけ言うけど人の話は聞かないなんてのも多々。
建設的/生産的な対話をぶち壊す「反則」みたいな手法がありはするのですが、ある程度のロールプレイに同意されている状況下で用いられるならまだしも、誰彼構わず首を突っ込めるようなオープンなSNS上に向いていないんじゃないかなと。それは独善的な遊びであって衆人環視の場だと議題議論そのものが破綻しやすい。
「言ってないことを読み取る」のもかなり目に付きます。相手の何てことない叙述を自分への悪口と曲解したり、勝手に相手をポジショントークと決めつけるなど。
往々にして、実社会でも一人二人、そういうタイプの人と接点はあるものだけど、ネットだと何か増えて派閥然として動き始めるのでかなり鬱陶しい。
TVで論客とされる人の「話のすり替え」もけっこうマズいレベルに達してる感あります。
脚注レベルの話題やサブストーリーとしてならまだしも、本論の中で語られても論点が散漫になりやすい。
やはり伏線好きっぽい
小説、映画、漫画を含め、もしかすると音楽もそうかもしれないが、どうやら自分は、構造こそシンプルでも展開がドラマチック(またはダイナミック)なものが好みっぽい。
ここでいう構造ってのは、わかりやすい例でいうと、強いやつを倒すともっと強いやつが出てくるいわゆるインフレだったり、あるいはほのぼの日常系なのに話数が進んで登場人物の性格を数奇な生育環境に言い訳的に遡及させるものだったり。こういうのにOh…(ネガティブな意味で)と思わされてしまうよう。もちろんそういうのが気にならない方も大勢おられるはずで、単に好みの問題。
AI云々
イラスト方面でひと悶着あるようで。音楽の面からは何度もこの話題について触れているので今さら書くこともないのだけど、ともあれAIを有効に使える人は何人もいて、彼らはナイス(理想的な)な模範を示してくれていますね。
某所にも記したように、そういう人を置いて創作は進化していくでしょう、と。
しいて言えば、AIの使い方、活用法がキモじゃないかなと。
これは既に音楽家連中の中で語られていることだけど、AIにぜんぶ作らせて終わりってのにはまだ至ってないし、真に自分の気に入るものになるかというと残念ながらそうなっていない。
作曲系AI、音楽系AI
先般席巻気味のイラストAIがイラストレーターの居場所を侵食してさまざまな問題を浮き彫りにしてきたのと違って、作曲系、音楽系AIがミュージシャンの居場所を侵食とまでしてきてないのには、何らかの倫理観、作家のITリテラシー、歌詞との複合芸術性、肉体への依存性以外に、作品の評価基準の不明瞭さもあるかしれない。
イラストのように色合いだパースだ写実性だ(あるいはエロさ)のが主に評価されやすいのと比べると、音楽はただの音の羅列だ配置だ、と解像度が低い(グリッドが粗い)(と門外漢には認識されやすい)。かと思いきや、今ひとつその美のメカニズム(ひいては評価基準)はハッキリしていない(今のところ)。
AIが追いつけていないのかっていうとそんなことなくて、美に近づけるためのプロンプトデザインが不明瞭なのかなと思います。むろん、そう遠くない将来に整理される気はしますが。
あと、言ってしまえば、AIに指示するくらいなら自分で弾いたほうが早いってのもあるかな。
肩こりがひどく
もともと少々肩こりしやすかったのだけど、右人差し指の付け根の疲労(炎症?)を庇うような動きをしていたのか、長時間仕事をしていると右肩から先ずっと痺れ気味になるようになってきて、久しぶりにマッサージを受けに行きました。
実家の近く、京都訛りのあるベテランっぽい男性マッサージ師さんが営んでたお店ともともとすごく相性が良かったんですが、店を畳まれて以降、女性マッサージ師さんの営むお店となって予約も取れなくなってしまい、すっかりマッサージ難民となりました。
個人的には整体で端々をバッキバキ鳴らすくらいしてほしいのだけど、今はそれが出来るお店が少ないらしく。1,2年前に、奥さんの伝手でやや近所の店に赴きました。おためしって感じで全身さらっと整えてくださったんで物足りなかった。
先日、肩こりの事情を伝えて一時間足らずお願いしたところ、曰く、右肩どころか腕、手、首筋から腰に至るまで全部ガッチガチやでってことで、週1ペースでマッサージに通うことになりました。3度通って今はだいぶラクになってます。
ボディローラーで肩周りを自分でゴリゴリやるのもええでと教えてくださり、すぐさま手に入れて、「辛ぇ!」ってタイミングでゴーリゴリやってます。多いときは1日5回くらい。
ただ、いちばん効果があったのは、パソコンのディスプレイのメインとサブを逆にしたこと。
27インチ程度だけど横並びにしていて、一方、ふだん目の疲れもなかなかなので、近すぎない程度の距離に置いて作業していたのですが、下手すると一日中メイン画面のほうを向いてやや斜めな姿勢で過ごしてしまいかねない。
要するにふだん右肩にかけてるカバンを左肩にかけるようにしました程度のことなのだけど、うっかり使用するディスプレイを元のままで使ってしまわない限り、肩が保つようになりました。
同様の肩こりに苦しんでる肩がおられたら参考までに。