Soundpaint 2.0 のH.A.Lが驚きの完成度

Soundpaint 2.0’s New Hyper Acoustic Legato Technology Will Blow Your Mind (Sneak Preview) – Synthtopia
Soundpaint 2.0’s New Hyper Acoustic Legato Technology Will Blow Your Mind (Sneak Preview) – Synthtopia

今ひとつ食いつきのよくない8dioのSoundpaintでしたが、バージョン2.0で搭載されるH.A.L(Hyper Acoustic Legato)のスニークプレビューが、Synthtopiaで取り上げられている通り、二度見(二度聞き?)する次元に達していました。

前置きがだいぶ長いので要所をリストアップさせてもらうと、5:00、7:40、8:40、9:00、12:15、11:30。この後も長いので端折らせてもらいますが、目を閉じて聞いていれば、まあ本物かなと思える程度にサックスらしさが滲み出ています。音の好みは人それぞれだとは思いますが。

もちろん”そうでもない”パッセージやインストゥルメントをプレビューで取り上げるわけないので、このデモンストレーションを100%信用できるかと言えばそうではないのですが、少なくとも管楽器のサンプルライブラリーでありがちな、パッセージの途中で楽器を変えたようなほつれや、本体の響きと残響の響きとが別々に聞こえるような違和感が、リアルタイムの演奏ですら感じられにくくなっているのは一足飛びな進歩だと思います。

YouTubeでのコメントも称賛に継ぐ称賛で、やはり同じような部分に不満を抱えていた人が多かったのだろうなと思うところです。

詳細は、おって発表されるとのこと。

追記

リリースされてました。$15オフになるInvite Linkはこちらをどうぞ → http://soundpaint.refr.cc/yamaguchim

以下は製品リンク。購入した場合、Accountページ内にDownloadリンクが表示され、リンクを踏むとPC内のSoundpaint Downloaderが起動してダウンロード開始されます。

Legato Tenor Saxophone plays like butter on the keys. It's easy, effortless, and it just works.
The 1987 Alto Flute Savana plays like butter on the keys. It's easy, effortless, and it just works.

さっそく使ってみてのファーストインプレッションですが、環境に左右されることなく、上の紹介動画で示された通りの奏法が再現されます。技術分析はまだしていませんが、音色によっては完全に同期した音質で和音が鳴らされる、いわばMelodyneでハモらせたような不自然さを感じる場合があります。ただし、それは和声用の音色プログラムでないものを使ってハモらせてしまったせいかと思われます。したがって目的のものを読み込んで弾けば意図通りに鳴ると考えていいと思います。改めて凄い。

レガートでの継ぎ目に、その継ぎ目専用のサンプルが自動処理的に挿入されてる印象。そのリアリティが、Kontaktではほぼ得られないもので、ただただ感心します。精巧なピッチシフト&タイムストレッチ技術が組み込まれているか、サンプル自体がその技術を施されたものであるかもしれません。それプラスのレガート技術でこのサウンドに達するのかなと。もうちょっと端的にいうと、レガート前後の音程で位相が合致してるのが凄い。

だから、あとは木管楽器でない他の楽器でどの程度アーティキュレーションのリアリティが再現できるかですよね。とはいえ、木管楽器ソロの打ち込みって今ほぼ競合がいないので、かなりのアドバンテージを見せられていると思います。

音色辺りの読み込みはそれなりにでかいので、ここぞってときに使ったり、フレーズが固まったらトラックフリーズをかけるなど、パワー不足なマシンで使う場合に工夫が必要かもしれません。
読み込みが終わったように見せかけてまだ読み込み中であったり、かつタイムラグが3,4秒くらいあるのは、ややconfusingに思いました。これは良くない。

Soundpaint自体のモジュール風の操作についてはそこまで難解でもないのですが、説明が必要そう。英語が苦手な人には厳しいかも。マニュアルも見当たりませんでした。


もういっちょ追記

現状、フリーのライブラリーはピアノとほか2種類で、率直に言ってつぶしが利くとはお世辞にも言い難い。Soundpaint Editorを使って自前のサンプル群をKontaktより圧倒的に簡単に突っ込んで鳴らせるとはいえ、KontaktでいうFactory Libraryに相当する汎用性の高い音色セットが揃ってないと、楽曲制作の主軸として使う形に到底ならないだろうと思います。
あとモジュールやエフェクトは一定のクオリティに達してるとはいえ、新鮮味がほとんどありません。ゆえに生楽器系のサンプルの生々しさがいっそう問われることになると思います。