リバーブの低音トリートメントに Soothe を使う

別段新しい話でもないのですが、音圧を保つには曲が分厚過ぎてリバーブの低域を削んなきゃいかんだろかってケースでは、リバーブのあとにSootheを差して原音をサイドチェーンで拾う手がありますよと。

たとえば、NIのRaum。
たとえば、NIのRaum。

何度か書いたのですがコンボリューションリバーブは原音にない周波数に反応しにくいので、極端に言えば低域がハウリングっぽく、高域がリバーブ感って感じになりやすくなります(したがって基本的にはウネりのある音、つまり生音と相性がいい)。これに対しシンセなどの電子音に対しては残響成分(の粒子)に対してウネりを加えやすいアルゴリズミックリバーブのほうが相性がいい。ただし、これは相性がいいだけであって、こうするのが正しいって話ではない。
どよどよするのを避けるために低域を抑えて中域以上でリバーブ感を作っていくか、プリディレイを少しだけ多めに取るか、サイドチェーンでダッキングするかってとこですが、迫力や温もりを出すために低域もほしいって局面では、原音が持つ低域の周波数分布をリバーブから瞬間的に抜く手法もありかなと思います。低い周波数まで設定できるディエッサー(つまりダイナミックEQ)でも似たような効果は得られると思いますが。

上の動画は、ノコギリ波でプラック音色を奏でたものをサイドチェーンで拾ったもの。音は録り忘れました(てへ)。
手法自体は特殊でもないのですが、これを利用とした面白い表現が可能なのかもねってことで紹介しておきます。