Rob Papen “LowSane”

Rob Papenからローファイ加工するエフェクトプラグイン LowSane がリリースされています。
はて、エフェクターの開発なんてしてたかなと思ったらけっこう以前から幾つかあったらしく、製品名に接尾辞チックに必ず「Sane」とつけているみたい。
機能としては、おおむね予想の範囲内ですが、デモ音源を聞く限りでは比較的軽やかな音に仕上がっていくのかなと印象を受けました。
指定時間内のマクロ操作をソフト内に記録してオートメーションまたはモジュレーションライクに使用できるのは少し面白いと思いました。
Tracktion “Theia”

ディープなシンセ、Hyperion Synthをシンプリファイして価格もガッツリ抑えたTheiaがTracktionからリリースされたようです。ちょっとUVI Workstationチックなアプローチですかね。
とはいえ考えてみたら、シンセプラグインはもはやプリセットありきだったり、プリセットの作成だけでお仕事が成り立ったりする時代なので、内部構造なんかはプリセット制作者のためだけにあればいいのかも、と思わないこともない。
収録サウンドは、今どき海外で食いつきのいい「厚いけど軽やか」なサウンドが中心って印象。かつてのEnsoniqっぽいというか。
Toontrack “Singer-songwriter EKX”
Toontrackから続けざまに今度はEZKey2用のアップライトピアノのライブラリー Singer-songwriter EKXがリリースされています。あ、もちろんMIDIとプリセットとのセット。
Singer-Songwriter EKX
NFRをいただいたので内容をチェックしてみたところ、アイスランディック方面のアップライトピアノの神妙なサウンドではなく、ポップス寄りで、もう少しシック(chic)な方面。Toontrack側もゴージャスさは求めておらず、足元を固めてくれるようなサウンドに仕立てているようです。A Thousand MilesとかPiano Manとか、ああした楽曲の延長上って感じ。
ちなみに以前にSinger-songwriter MIDIやSinger-songwriter EZXがリリースされており、それらとの関連について製品ページ中で明確な言及がないのですが、Singer-songwriter MIDIとの内容の重複なく完全新録であるとは記されており、あくまでユーザー側が個々の発想を活かしながら上手く組み合わせて曲を仕上げるといいよ、とするようなスタンスかなと思われます。
グラミー賞とディープフェイクボーカル
DrakeとWeekndの声を学習させたAIに歌わせたHeart On My Sleeveが海外で大きな話題をさらってましたが、このたびグラミー賞の選考から外されたようです。これ自体は「あ、そう」程度の話なんですが、「許可なく”っぽく”歌わせたこと」と「真っ当な一般人がこの曲を聞くことは既にできないこと」と理由を明示しつつ、アカデミーが創作活動自体を後押しする存在であると改めて述べたのは、個人的にとても素晴らしいと思いました。
雑に否定せず、わかりやすい尺度をもって何がダメなのか明言(特にこのケースでは誰のどういう権利を侵害するのかを明示している)し、なおかつその決断の主体が自分たちであると述べること。これは何らかの形で後々に影響を与える判断を下す際に端折っちゃダメな部分ですよね。
「AIを使って」「何を」したらダメなのか、今後起こりうるケースに際して判断を下す基準にできそうな事例だと思いました。
【関連】