Plogueの軽量歌唱音声合成プラグイン、Alter Ego 用に Marie Ork という女性キャラクターのボイスが登場しました。
2016年のKVR Developer Challengeに出されたものが遂にお披露目となったという経緯らしいです。
Alter Egoとは
Alter Egoの歴代歌唱音声はロボット風味が強く、一方で某アレを真似てキャラクターイラストをフィーチャーしているものの、それが軒並みこの世の物ではない何かつまりモンスターとかファントムな出で立ちをしています。
Alter Egoは某アレの発音記号の元にもなっているX-SAMPAにかなり忠実に対応していて、慣れている人が発音記号さえきっちりAlter Egoに打ち込んであげれば、アレよりも確実に正しい発音で歌ってくれます。
もっとも、それぞれのボイスはキャラの方向性もあって加工音声寄りなので、「いや、ちょっと実用にはキツいっす…」って人もいるだろうとは思います。
個人的にはリアリティを追求する某アレに比べて残念な感じ(失礼)が漂うこちらのほうが好き。
つか、フリーウェアだから既に持ってます。出番がまだありませんけど。
Marie Ork のイカした巻き舌
さて Marie Ork というのは、その配布元によれば、ポーランドのデスメタルバンドである Ennorath の女性ボーカリスト、 Joanna K-a さんの声が元になっているとのこと(Ennorathの動画)。
製品の紹介動画を見ると予想より声の質感が良い。
あと、すんごい巻き舌(18秒辺りの箇所)。
単に [r] と書くとその間どうやら巻き舌を続けるらしいことが、動画の画面を拡大して確認できます。
他の音声ライブラリーでは [r] と書くと接近音(IPAだと [ɹ] 、X-SAMPAだと r\ と書く)で、だけど Marie Orkではふるえ音に割り当てられているようです。
本来の発音記号を考えるとそれが正解なわけですが、ともあれ、巻き舌イカす!
肝心のデス声はイマイチ
収録されている声のバリエーションとしては通常の歌唱音声以外に、このデス声(Growl)、スペース、トーカーの4種類。
ホントはそれを一通りチェックして記事書くつもりだったのだけど、例によってネットまたはAWSがクソ重くて今に至ってもDL進捗がわずか1%という体たらく。
…と、それぞれのプリセットの紹介動画がありますね。
Alter Ego…いや、もしかしたら他の音声合成系ソフトもそうなのかしれませんが、吐息を含む摩擦音全般がどうも苦手なようで、肝心のGrowlは正直いまひとつ。いや、いまふたつ。
喉に無数の風穴が空いていたらこういう声になるのかもしれませんけど。それじゃ死んじゃう。いや、グロ系のキャラ多いからそれでもいいのか。
以前、某アレをデス声っぽく加工するために20Hzか30HzくらいのレートでFlangerをかける手法を見かけたことがあり、どちらかというといっそそちらのほうがデス声に近いかも…。
V4のGrowlと比べてもそのほうがGrowlっぽかったですし。
ひとまず、Alter EgoもMarie Orkもフリーってことで簡単に導入できるので、一味違った歌唱合成ソフトを使ってみようかって人は手を出してみるといいかもしれません。