「機材の アップグレード はしない」

Recording RevolutionのGraham Cochraneは、自分の環境を保持するため機材の アップグレード は行わないという考え方らしい。

DAWもプラグインも数年使い慣れたものが使われていて、曰く、よりいいものを仕上げるためのボトルネックはあくまで「自分」であり、自身を向上させるにあたって慣れない使い勝手のものを導入するのはブレインパワーの浪費になり悪手である、と。

Don't Upgrade Your Gear - Recording Revolution
Don’t Upgrade Your Gear – Recording Revolution

YouTubeでは今のところThumbUpが140に対してThumbDownが1と、かなり強めの共感を呼んでいます。
コメ欄でThumbUpを稼いでるのは「優れた機材が良い音楽を作るのではない。優れた人が良い音楽を作るのだ」というコメント。ほかにジョークっぽいコメントも幾つか。

個人的には賛成も反対もないのだけど、ひとまず、そもそも前提や持ち場が異なるとこの話題は噛み合いませんね。
作曲家なのかアレンジャーなのかレコーディングエンジニアなのか、打ち込みなのかバンドスタイルなのか、それを生業としているのか昨日今日始めたばかりなのか、など。
Graham氏のキャリアやポジションを前提とするならば、つまりバンド向けでクリエイティブなミックスに従事するならば、機材の新しさに依存するよりもアイディアを売りとしたほうがいい。ここには一理あり。

自分の周りにも、似た理由で、慣れたOS, DAW環境を保持する人は多いです。
僕自身は自分の作品に常時納得いってないので打開に期待してアップグレードするのがお決まりです。仮に納得いったものが出来たところで、もっと面白い何かができるのではと魔が差してアップグレードします。
最新の技術を必要とする領域で活動してるのかどうかも判断基準にはなりそう。

さほど珍しいというわけでもないこの考え方を取り上げたのには(”自戒”的な)理由がもう一つあって。
「慣れないから」環境をアップグレードしない、くらいまでなら言う人はたくさんいます。
「ブレインパワーを余計なことに割きたくないから」に辿り着けるか、そしてそれを言い訳としてでなく言えるかどうか(ついでに言えば、それを言って茶化されるようなヘボい環境に自分を置いていないかどうか)。
クリエイティブなお仕事って、こうだからやりたくない、ああだからやりたくないって弁明に対し、そうか、じゃあ仕方ないと比較的大目に見られやすい(もしくは逆に、お前ごときが言うなという陳腐なレトリックで痛罵されやすい)。
問い詰められないから”それらしい”理由を言って濁すのが常態化しちゃうと、伸びしろを始めとして色んなものが棚上げになりかねません。いずれ何らかの矛盾が露呈して信用を失うことだってあり得ます。「出前はいま店を出たとこです」が常態化した店が将来的にどうなっていくか考えるとわかりやすいか。
Grahamのように日々の活動の中で「お前ごとき」と言われないレベルのものを示した上でスタンスを語るのが順当なんだと考え直させられました。

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