BABY Audio “Atoms”

BABY Audioから、MPEとの相性が良さそうなソフトシンセAtomsがリリースされました。
フィジカルモデリングをベースとしており、シンセの音作りがわからなくても使えるような設計になっています。
わざわざ作ろうと思うとしんどかったりマンネリに陥りがちといった問題を解決してくれそう。

音作りに慣れた人にとっては下部に表示されたパラメータが馴染み深そう。とはいっても、思っていたのと違う変化が起きたり、この良し悪しは人によって判断がわかれるのでは。
AIは使っていないけれども、抽象的な単語の組み合わせで音色が生成される発想はGood。
ハッキリとどういう音にするかイメージできている人にとってはちょっともどかしいかな。

ちなみに何がどうフィジカルモデリングなのかは、マニュアルでもこのくらいまでしか記されていませんが、

Atoms simulates a virtual structure of masses and springs that produces sound when bowed.
Known as a mass-spring interaction network, this underlying physical model represents a new direction in synthesis.¸
The six main panel knobs control the characteristics of the physics simulation. Each one can be musically randomized, or automated within Atoms to create organic, evolving textures that sound and feel alive.

Manual+-+Atoms+-+Baby+Audio.pdf

製品ページの下の方解説動画が上がってます。ぺたり。

こういった、物理現象や数学の世界で起きる何らかの法則を音の世界に転化させる手法、私自身はまったく詳しくないながらも比較的よく見かけるのでして、一定の人気のある界隈と理解していますが、これまで製品としてはなかなか人気を博すとこまでいってません。本記事の下のほうに「物理モデリング」ってタグがあるので辿っていただくとわかる通り、達成することに意味があるって感じの顔ぶれです。
それらと比べると、一般人にわかりにくいものを「わからなさ」として製品内に設置したアイディアが非常にいいですね。他のデベロッパが倣うと真似だとすぐバレます。