📜雑記帳 210327

最近の過去記事を分割しました

フィード購読されてる方(いれば)を驚かせてしまったかもですが、最近の過去記事で複数の内容のダイジェストっぽくなっていたものを分割しました。分割したり一本化したり、騒々しくてすいません。
過去に特定のソフトについて記したかどうか覚え切れなくなってきたので、管理ページの記事リストで見つけやすくするために分割させてもらいました。

4月から仕事がまた変わります

仕事が変わるっつうか、ある種の出向期間が終わるみたいなもんで、居場所は変わりませんが互いのメリットを活かした業務委託の扱いになり、これまでより少し守備範囲が広くなりつつも時間の使い方が以前より少し自由になります。研究/実験用の時間を作りやすくなるのは有り難いかな。

インタビューに答えた内容

昨年暮れに海外のネット雑誌にインタビューを受けました。お答えした内容をざっくりとまとめておきます。

「大変な思いをして作った」と語ると自慢げに聞こえてイヤと言われることもあり、一般に作り手は「あまり考えずに作った」と語る傾向があります。自分もプッシュ方式のメディアには大したことを話してませんが、ここみたいなWeb上の日記は、知りたい人だけがアクセスする場所なので、「聞こえ」など気にせず(公序良俗の範囲内で)書いてます。
雑に作ったものやツッコミどころを残したほうがウケやすいって傾向はあるけど、実際には脳みそ溶けるくらい悩んでガチな制作もする。こうした苦労話は、往々にしてきちんと理解できる相手にしかしないので、結果的に多くの人は表向き「考えずに作った」と答えるわけです。
今回のインタビューは、うちの日記の隅々まで読んでくれた上で踏み込んだ質問を用意してくれていて、包み隠すことなくいたって誠実に回答させてもらってます。

曲提供の経緯、韓国のスタッフとの関係

個人の趣味レベルでMuzieにアップロードしていた作品がたまたま先方の知るところとなり、それが楽曲提供につながりました。声をかけてくれたEB氏は当時高校生だったけど両国の制作者と広くつながっていて、彼自身が兵役に赴くまで誠実に間を取り持ってくれました。
当時、韓国の業者と日本の同人作家との間で商習慣の違いから来るトラブルを何度か見かけましたが、そもそも文化が違えばトラブルは起きるって前提でうちらは付き合ってたんで、ビジネス上の対立は基本的にありませんでした。
そうしたトラブルは秘匿していてもいいことないご時世だったので、経緯その他、日記上で明らかにしてました。とはいえ丁寧に書いても文意を曲げてまで「相手が悪いに決まってる」ふうに読む人がいるのは疲れた。

Cyclon等で作業手順は変わったかというと、英語でのやり取りだったので率直な意見(「それはやりたくない」とか「その納期だとムリ」とか)を伝えやすかったのが大きい。日本語での否定表現は、英訳すると案外キツい言い回しに見えますし、婉曲表現は意図と真逆に解釈されたりするので、難しいとかでなくムリと伝えるほうがいい。

余談ですが、初めての曲単価は日本円でたしか15万くらい。ボーカル曲を作る場合はレコーディング代としてプラス2万くらいで、依頼したボーカリストさんにはそれをそのまま渡してます(リモートでお願いしたときだけスタジオ代がかかったので、結果丸ごとボーカリストさんにお支払い)。納品は1曲をトラックごとにオーディオデータとして書き出してネット経由で。
為替相場によって変動するってことで日本円換算で支払われるようになったのは、この5年ほどの話。

盗作扱い、ブロークンビーツ、ややこし系フレーズ

具体的な各曲については、主にこの日記に書いたことの伝え直し。
Right Now。使用許諾(EULA)を遵守してボーカルサンプルを使ったら何故かそのサンプルそのままの音楽が出現して、こちらが盗作扱いされていい迷惑でした。

ブロークンビーツは、そもそも2000BLACKの数年後に主にUSのトラックメーカーたちが影響を受けて始めた、ハッピーでフワフワしたハウス寄りのスタイルに依拠しています。UKのストイックでガチなものよりもこちらのほうが合うだろうと。
当時このスタイルはディープハウスやラウンジとカテゴライズされていたけれども、これはこれでガチのディープハウスやラウンジとベクトルが違う。そうなると源流たるブロークンビーツを名乗るべきと判断しました。源流っつうと辿ればキリがないか…「親」と言うべきかな。
案の定、Twitter上で文句言ってる人はいて、数年後しょうがないんでSkippと勝手に名乗らせてもらいました(勝手に新ジャンルを名乗るのは嫌いだけど)。

Dream of Youの中間部的なややこしいフレーズを今後も作ることがあるのかって質問もあって、いまユーザーは娯楽性重視だから「やらない」と答えました。
そもそも、ややこしいと言われるけど特にジャズ系のミュージシャンは実際の演奏でバリバリこなしてて、こういうのって「解釈をするから難しく感じちゃう」領域のもの。たとえば4小節の中に5小節分のフレーズを突っ込もうとして結果1拍分足りなかったとき、そう説明すると理屈は簡単なのに譜示するととんでもないことになります。
なお、「難しいのは未経験だから」ってのが持論(「不可能」じゃなく「難しい」がポイント)。

Beat U Downが好きじゃないのは何故かって質問もありました。なんでだろうとじっくり考えて、ユーロビートやヒップホップなど漢漢してるのがどうも好きじゃないっぽい。まあ得意な人が作るのがベストだと思うんですよね。

Tromp L’oeilで人格を変えて臨んだと書いたのは、ログのほうにもありますけど、それまでの経験じゃ太刀打ちできない音楽的文法に直面したから。自ら挑んで自ら消耗してんだから世話ないですな。ジプシースウィングがElectro Swing経由で消化されてる今の世代の方々にはこの感覚わかりにくいかもしれない。Tromp L’oeilはElectro Swingじゃないよ。

制作における大変さやチャレンジなど

20年の付き合いの間、OSやDAWの進化があり、その過渡期の制作は悩まされることが非常に多く、とりわけリミックスは厳しかった。オーディオデータをダイレクトに鳴らせる今と違い、いったんメモリに載せないといけなかった時代、ボーカルトラックが長いと制作時の負荷が高かった。演奏部分の音色を吟味する余地まで減るから。
他業務兼用のパソコン上、特に(市販のでなく)業務用ソフトは新しいOSへの対応が遅く、たとえ巷間で新しいOSだとアレもコレもできるようになると朗報が巡っても、迂闊にアップデートはできなかった。MacだとOS Xを挟んだ時期が地獄でしたね。

インストラクターとしての仕事はどうか、ブログもずいぶん書いてるねと質問がありました。
インストラクター業には見切りをつけつつあります。単純にいうと人にものを教えられるほど結果を出してないなと。
自分は音楽を志したのが遅く、追いすがるには妙な角度から分析したり、短時間で色々分析する癖をつけなくちゃならなかった。ブログにしたためてたのはそもそもがそうした記録であり、HOWTOとして機能させる意図は小さい。何度か体系的にまとめようと思ったことはあるのですが、そのたび「書かされる」気持ちになっちゃってやめました。結果、散り散りであることが自分にとっての利であり、音楽への恩返しとなってます。たまたまオープンにしてるだけ。