VirtualDJ がリアルタイムステム分離機能を搭載

VirtualDJ - The #1 Most Popular DJ Software
VirtualDJ – The #1 Most Popular DJ Software

ステム分離が話題になって数々のツールがリリースされましたが、先日取り上げたGOYOのように、オリジナル音源の分析なしのステム分離がいよいよ可能なフェーズに入ったようです。

Supertone “GOYO” – リアルタイム・ボイス・セパレータ

ステム生成ツール 6選 (MusicTech誌)

Stem に分割、またはボーカル抜き出しのツールなど

VirutalDJは個人で使う限りフリーとされるDJソフトウェアで、macOS, Windows対応。
リアルタイムステム分離機能のポテンシャルをフルに味わうには最新のOSの能力が必要だそうで、うちでは充分な動作確認できませんでしたが、それでもイベント等のやや騒がしい環境でも無難にプレイできる程度にはリアルタイムの分離機能が使える印象でした。バックトラックのみフィルターを閉じていくみたいな操作も可能で、これからのDJは発想が試されるとも言えます。

With over 100,000,000 downloads, VirtualDJ packs the most advanced DJ technology. Both perfect to start DJing, and perfect for advanced pro DJs.

Stems 2.0を掲げた今回の発表によると、2023バージョンではアカペラ、インストゥルメンタル、ベース、キック、スネアに分離できるとされ、上記リンク先の上部で聞けるデモ音源も(都合のいい結果のみ貼ってる可能性はあるけれど)かなりの精度です。
また当然、解析速度の向上も目覚ましく、前バージョンと比べる(これは比較対象が書かれていませんが、おそらく本ソフトウェアに搭載されていた前バージョンのものとの比較と思われる)最速で700倍、遅くとも20倍程度の速度に達しているとのこと。

速度向上、解析精度向上は歓迎すべきことで、さすがにパーフェクトとは言えませんが、一気に色んなことがリアルタイム操作可能になったことで、先にも記したように発想が試されることになると思います。と同時に、分離結果を直接保存できないように一応してるっぽいですが、画面録画は可能だし配信機能も備えてるんで、実演家人格権や著作隣接権等は考えなきゃならんかもです。

余談。
ステム分離機能で考えてしまうのが精度というか音質。
もちろんクオリティが高いに越したことはないのですが、極端にクオリティが低いのでさえなけりゃ、このソフトみたいな用途なら大差ないかなと思ってます。
用途によりますが、個人的にはクオリティよりも、なるべくあらゆる楽曲に対してそつなく分離してくれるふうに能力を追求してくれたほうが嬉しい。たとえば、フィールドレコーディングされた民族音楽から歌のみ引っ張り出せるとか。そう遠くない将来、その技術に達するとは思いますけどね。


221207追記

Seratoも同様の機能を搭載した模様。