Tone2 “Icarus 2.5” アップデートにおける注意事項

Breaking changes
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Tone2 Icarus 2.5 のアップデートがリリースされましたが、Tone2より、AU版に関して注意書きが貼られています。VST版およびPC版を使用している方は関係ありません。内容はおおむね次の通り。

AU版は、M1ネイティブ動作向けに完全に書き直さざるを得ず、下位互換性を保てませんでした。結果、旧バージョンのTone2製ソフトウェアを使用した曲を起動するとパッチを見失う可能性があります。

対応策としては、旧バージョンで使用したパッチ名をメモしておいて、新バージョンでパッチ名を手繰るなど。該当曲があまりに多数に及ぶ場合、バージョンアップをしない選択肢もあります。

■影響範囲

  • AU版 Icarus 2.5.2beta 以下は、AU版 Icarus 2.5.3 (2022年7月) 以上と非互換。
  • AU版 Saurus3.3β以下は、AU版 Saurus3.4(2022年7月)以上と非互換。
  • AU版 Nemesis 2.2beta以下は、AU版 Nemesis 2.3beta(2022年8月)以上と非互換。
  • AU版 RayBlaster 2.8beta以下は、AU版 RayBlaster 2.9(2022年8月)以上と非互換。
  • AU版 Electra 2.9.5beta以下は、AU版 Electra 2.10beta(2022年8月)以上と非互換。
  • AU版 Galdiator 3.5beta以下は、AU版 Gladiator 3.5.4(2022年8月)以上と非互換。
  • VSTプラグインを使用しているMacの楽曲は影響を受けません。
  • VST3プラグインを使用しているMacの楽曲は対象外です。
  • PC上の楽曲やプラグインには影響ありません。
  • サウンドセットには影響ありません。
  • シングルパッチ(fxpフォーマット)は対象外。
  • デモ版では影響なし。

プロジェクトファイル内にパッチ名が記録として残っているなら、新バージョンのソフトで”突き止める”処理が可能では?という気もするのですが、スタッフがさんざん頭を悩ませた結果の報告でしょうから、実際には不可能なのでしょう。Kontakt等の大手のソフトでもそうですが、バージョンアップ後に旧バージョンのソフトで使用したパッチ名を(別途メモしていない限り)掴みにいけないのは、Logic(以外もそうかも)の仕様として正直好ましくないと個人的には思っています。
作成した音色または多少なりともエディットした音色をfxpなどの外部ファイルに保存していない場合にどうなるのか、ちょっとわかりませんが、こちらも充分危ないと思います。

いったんバージョンアップしても旧バージョンに差し戻すのは可能と考えられる(プリセットファイルの仕様が変わるわけではなさそうなので)ので、気がかりなプロジェクトファイルがあれば新バージョンインストール後はプロジェクトファイルを上書き保存などせず、いったん旧バージョンのプラグインと差し替えて救出してから新バージョンのプラグインに再度戻すなど、手間をかける必要があるかもしれません。

いずれ、もしかしたらこの問題をかいくぐる仕組みを作ってくれるかもしれないので、それまで待っておくのもよいかもしれません。

Tone2製品はプリセット管理周りが少々独自仕様なとこがあったので、直撃食らった感じでしょうね。技術力がないわけではないはずなのですが、さらに一歩上の技術力や体力、政治力が昨今は必要なのかもしれません。

ちなみにアップデート内容は、M1への対応以外に、プリセットの追加、PCMのインポートと再生(アナライズでなく)、RANDOMの精度向上が主だったところ。