Stagecraft “Addiction Synth”

Plugin Boutique で Stagecraft の Addiction Synth が$10の叩き売り状態。
OSCのコントローラーライクなスクショを見て期待高まります。

正味10分弱いじってまず気付いたのが画面ちっさ!
次に気付いたのが内部で歪んでね?と。
それから、誤動作多くね?と。

オシレーターのコンセプトは新鮮で、何か面白いことができそうって気分にはなります。
グラフィックエフェクトも凝ってます。美しい。
MPE対応なので新しいMIDI機器に対応した音源を探してる方には福音と言えそう。
右上を誇らしげに陣取っているエフェクトにはGlitch Machine、Chance Gate、Picanteといったあまり見かけないもの(見づらいけど、エフェクト名のすぐ下の二重の四角アイコンをクリックすると別ウィンドウが開いてそこで細かく設定できる)が備えられていたり、BitCrusherなどよく見かけるものであっても「なんだ、これ?」と思わされるパラメーターが付加されてたり。独特なサウンドを生む準備は整っていると言えます。

肝心のサウンドについては、バリッと元気な音や深みのある音って感じではなく80年代前半の灯油臭さの香る、一周まわってカッコいい愚直な音って印象で、ベクトル的にはCasioのCZみたいなPD方式の音源を思い浮かべるとよろしいかと。
オシレーターのコンセプトが新鮮とは書きましたが、正直、今ひとつ構造がわかりません。破壊的なパラメーターにしても柔らかいナイスな音が鳴ります。

誤動作の疑われる部分に触れておくと、うちではオシレーターのデチューンを操作しようとすると急にオクターブやセミトーンの値がぎゅんって変わっちゃいます。どうもこれ、デチューンの設定値が-100から100で、かつデチューンの-50を半音下のデチューン+50に置き換える仕組みになっているために、マウスでのドラッグを追っかけてグッチャグチャになるっぽい。
また、おそらくコンボリューションリバーブではないかと思われるEcho Thiefは発音と同時に飽和して破壊的なサウンドが鳴ります。怖い。
OSやDAWによるかもしれませんが、あくまで個人的な体感でいえばバージョンはまだ0.2くらい、つまりまだ開発途中といった印象。
備えてる個々の機能がしっかりしたら色んなオイシイ場面に使えそうではあるものの、ひとまず現状では危なっかしくて使えないかな…。
ふだんゲロ甘のPlugin Boutiqueのレビューですら★4つになってるのは、そういった危なっかしさを踏まえてのものかもしれません。