Rhodes自身によるソフト音源 Rhodes V8 Pro
たぶんもう既にあちこちでニュースになっていると思うのですが、Rhodesの作ったRhodesのソフト音源Rhodes V8 Proが発表され、45日間動作するベータ版を配布するので興味ある人はMissing Keysなるショートムービーのサントラ?を作って送ってね、という話になっています。
そこそこのDLサイズとなりますが、先ほど試しに使ってみました。
某所にはレビューとして、歪っぽかったり調律が微妙にズレたり感度にムラのある、いわゆるオールドなRhodesサウンドを期待して触ると整い過ぎて拍子抜けすると記されていたのですが、さすがに普段からフィジカルモデリングのソフト音源や、十分に整備した実機をサンプリングしたソフト音源で経験済みな自分からすると特段違和感ありませんでした。
機能、操作感
Rhodes自身が作ったものであるから、プリアンプ部もEQも、VARI-PAN(トレモロ)その他のエフェクト、あるいは内部の調整もお墨付きって考えていいでしょう。
VARI-PANの掛かり方には(昔からそうなのかは知らないのですが)「あー、そうなのか」と思わされました。Logic純正のVintage Electric Pianoも、AASのLounge Lizardも、SpectrasonicsのKeyscapeも、愛用してはいるけどこういうトレモロにはならないなあとしみじみ。
それと以前にも記したことのあるキーオフ時のノイズ。充分に再現性があるとは感じましたが、オルガン同様の、打鍵時間が短すぎてキーが再度鳴る現象はさすがに再現されてない(特定のモデルもしくは一定の劣化によるもの?)っぽい。むろんそうした限定的な現象を期待する製品でないことは重々承知の上ですが。
ほか、面白い点としてはEQ MIDとプリアンプのENVELOPEを使ったオートワウ。同類の製品にも搭載されていることがありますが、キーオフ後の余韻との兼ね合いが難しく、本製品のように的確にノートリリースを調整できるSETUP機能は便利です(調整対象はLEVEL, DAMPER, FINE TUNE, TIMBRE)。DAMPINGの項目だけ一括設定できない? こちらの見落としかもしれません。
各エフェクトの揺れ方もビンテージ感があって非常によいですし、CHORUSの、飲み込まれるようなステレオ感もいい。
モデリングではなくサンプリングなので、ロード時間については大目に見るべきでしょうね。充分速いほうです。
冒頭に記したような、オールド感を求める人には別のソフト音源か実機をお勧めします。だけど、次なるスタンダードなエレピとして扱うならおそらく最高。
さて、Missing Keysへの応募は締め切りの3/1までWebで行うことができ(ソフトのデモもここでダウンロードする)、James BlakeとJames Smithに審査してもらうことになります。どうも、必ずしもRhodesは使わなくていいらしいのですが、まああったほうがいいとは思います。ボーカルは切り刻んだり動かしたりしないように。優勝は1人(カスタムMK8のエレピ贈呈)、準優勝は19人(V8/V8Proその他贈呈)で、Plugin BoutiqueのYouTubeチャンネルで3/23のライブストリームで発表されるとのこと。日本時間だと深夜になるでしょうけど、応募した人は寝ちゃわないように見といたほうがいいと思います。
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