DW “Soundworks” , etc.

DW Soundworks

なんとドラムメーカーのDW自身によるドラムのソフトウェア音源Soundworksがリリースされました。同名の企業とは関係なくDW自身の手によるもので、価格も比較的真っ当。DWの親会社に当たるRolandのRoland Cloud経由でインストールされます。

DWはその歴史の中でOvationやLP、Toca, Gretch, Slingerlandを買収してきており、その後2022年にはRoland傘下に入ってます。
このソフトウェアではそのGretch, Slingerlandのセットもリストアップされており、個人的な印象ですが、全体的に図太いサウンドのドラムが扱えるようになるのかなと。動画ではその音が聞けず残念ですが(最近その手の紹介動画が多すぎる)。

あとはミキサー側でどの程度まで音が作り込めるかが気になりますね。


Dolby AtmosのほうがDRが大きいのか

Production Adviceのサイトで、ジョンレノンの声をレストレーションするとともに仕上げられたビートルズのNow and Thenについて感想が綴られています。
かいつまんで言うと、ステレオミックスでは現代の音楽のようなマキシマイズがなされていて、いかに技術や技法に貪欲だった彼らの音楽とはいえ音質そのものを犠牲にすることはなかったのに残念、と。しかし一方で、同ページで以前取り上げたビリー・アイリッシュの曲(下の動画)同様、ドルビーアトモスバージョンのミックスは素晴らしく、臨場感と相まってリスニング体験の限界を取り払うような驚異的な相乗効果があるとのこと。

この動画と曲は2年も前のものですが、同調的なコメントが多々見かけられました。

自分は本格的なドルビーアトモスのミックスをしたことがまだありませんが、このように得られるものが大きいのであれば惹かれないはずもなく。
ちょっと試しに手元の曲のステムを、先日ドルビーアトモスに対応し、なおかつ軽さに定評のあるStudio 6に突っ込んでバイノーラルでのモニタリング環境下でいじくってみたのですが、どうもやはり「いろは」をきちんと学び、環境を整えてからでないと挑むにも限界があるなと改めて感じました。感化だけでは到達できないステップがある、ということでもあります。

あと、ダイナミクスを活かした音楽が求められているかどうか。上の動画の下半分に波形が見えてるのでわかりやすいと思いますが、中央に示されたビリーの曲のように時間をかけて壮大に展開していくのは個人的にも理想形の一つで、そうではあるけれども最初の2秒で聞く/聞かないが判断される風潮はいまだあり、30秒動画に使える曲調のニーズも大きい。改めて書くべきことでもないんでしょうけど、ああしたダイナミックな音楽は生き急いでいない人が中心となって鑑賞されるのだと考えると、注力に値するかどうしても考えざるを得ません。少々悲観的に聞こえるとこはありますが、必要な場、必要なアーティストにだけ使われることになるんかなと。