Sonic Charge “Synplant 2” – AIの力で音色模倣

予告

元からキテレツ度の高く、マニアの惚れ込むソフトウェアだったSynplantが、2023年中にAIによるパッチ生成機能であるGenopatchを搭載してv2にアップデートするそう。
まだハッキリしたことはわかりませんが、今のところ、ガチめにAIを扱ってる気配があるんで、Sonic Chargeならではの有用な使い方(=技術者の個性)を早く目にしたいところです。

レビュー

半年ほど前に予告のあったSonic ChargeからSynplant 2が遂にリリースされました。

旧バージョンを持っていなかったため、いただいたNFRでの初体験となりますが、まあ摩訶不思議です。
基本的にはFMシンセ的な音が発せられ、キーごと、またはベロシティ、音域ごとに違う音色を鳴らせることになります。が、プリセットを聞いてもどうしてそんな音が発せられるのかがわかりません。おってマニュアルを翻訳しながらじっくり仕組みを見ていくことにします。

醍醐味はGenopatchと称される機能で、動画でも確認できるように、放り込んだ素材を元にして分析が行われ、素材の音色に近づいていく形で音色がニョキニョキと随時形成されていきます。
「どういう素材を放り込めばどういうふうに分析され何が起きるのか」がまだわからないので、使いこなせるようになるには少し時間が必要そう。そのぶん今までに聞いたこともない音色が手に入る可能性も高いので、オリジナリティを重視する方は挑んでみるといいでしょう。

追記

マニュアルやデベロッパーのサイト、あと開発者による動画、Forumでのアナウンス、旧バージョンのマニュアルひっくるめてざっと目を通したところ、表層的な機能として旧バージョンからそこまで大きなアップデートはないものの、MPEへの対応やマイクロチューニングなど、現代の制作環境への適応やパフォーマンスの改善による効果はかなり大きいと感じました。

上に記したGenopatch機能は、手持ちのオーディオファイルを食べさせるとそれに似た音色の再現を最大4つの方法で試みるらしく、この工程を眺めていると何か愛着のような感情がくすぐられます。シンプルなシンセ音の再現は高速に処理され、ちょっとややこしい音になると試行にかなり苦しむ様子が見て取れます。
開発者自身も言っているように、完璧には真似られないそこにこそ、このプログラムの価値があると。これはまさしくその通りだと思います。いや、もちろん試行の末に充分似た音になるんですが、そこに達しちゃうと、こちらはむしろ「だからどうした?」となっちゃうんですよね。音作りの大変さを一度でも味わったことがないと、このAIの動作の面白みはちょっとわからんかも。

で、実際ここから発せられる音が実用的かどうかって点でいうと、(どういう音を期待するかによりますが)メインを張るような音、バッキングを担うような音としては少し弱い。それを求めるならもっと都合のいいシンセがあります。こっそりと、しかしアピールのある音色を作るものとしてはこれを凌ぐものはないでしょう。しいていえば、Max4Liveで音色を自作して鳴らす印象に近い。