雑記帳 231217

「まあ」をカバーするRiccardo

X(旧Twitter)に貼ったけど、インスタのURLはTLだと非表示になるんだったか…。

以前少し触れた、ミラノに住む若いベーシスト。
今や飛ぶ鳥を落とす勢いのMatteo MancusoとともにChickenをカバーした動画でベースを弾いてたのが彼。
DJMaxきっかけか、僕を知っていてくれたみたいで、COVID禍の間にBandcamp経由でメールが届き、そのあと何度かやり取りをしています。
今年の10月に、これまた凄腕ギタリストであるOWANEのバックバンドの一人として来日していて、見に来る?と言われていたのだけど、今年病に倒れた父の容態が芳しくないってことで都合つかず会えずじまいでした。
こういうのって、わりかし一時的に親しくなっても(理由がどうあれ)一度都合つかなかっただけですぐ疎遠になるよな…と思いつつ過ごしてたら、急に10年前の僕のボカロ曲をカバーした動画をインスタに上げてDM寄越してきて、ビックリしました。
カバーしてくれたからってわけじゃないのだけど、もし「いいね」と思ってくださった方いらっしゃれば、今後も彼をウォッチし続けてください。

ちなみにカバーしてくれた「まあ」ってのは、書いたように10年前にユニットWOM向けに、ツッコミどころを持たす目的で3曲作ったうちの一つで、今はなきLyle MaysのChorinhoに触発されて作った(といってもパクりでは全くない)音符詰め詰めの曲。最近すっかり縁遠くなってしまったけど、みょみょ女史に作詞をお願いしたら期待に見事に応えて作ってくれたものですね。
ツッコミどころを持たすってのは、わざと音を間違えたり、わざと手抜きをしたり、無駄に労力を費やしてたり、そういうアレ。伝わる人に伝わればいいってんで、聞き手を選ぶと思いますけども。
「まあ」に関していえば、チップチューンをフィーチャーしてるのにポリ数が多すぎるとか、チップチューンでない音を多々使ってるとか、そういう点ですね。そもそも、サブルーチンや変数込みでややこしいSEを当時実際にプログラムしてた自分としては、あの環境と制作時間でガチなチップチューン作れるとも思ってなかったわけで、あれをあの時点でのゴールとしたわけです。

Suno AIにささやかに言及

Suno AIについてですが、あちこちで言及されている通り、驚異の生成能力だと思います。
ちなみに自分、制作業を半ば引退しているせいもあってほぼ他人事。また基本、周辺視野的に潮流を眺めてる程度なので詳しいわけではない。以下、所感を手短に記します。

教師データの権利問題がまず気になりましたが、こちら側にできるのは訝しむことだけなんで措いときます。

AIを巡っての音楽制作や事業一般に関して、プロンプトを書く能力、あと出力を検品する能力は当面必要ですが、これもいずれAIに置き換わっていく可能性が高い。ただ、AIに限らず技術を楽しむ、楽しがることはどうしたって人間の領分なので侵されることはないでしょう。そういったありように向けて自分がどの立ち位置にいればいいかは考える必要があると思います。
出力例を見聞きして思うことは多々あったのだけど、結局そこかなと思います。

端的に言って、今回の出力で驚いたのはその技術や精度であって、別段音楽それ自体において新しい価値を創出してくれてるわけではないんですよね(それでも使いでがある、って文化圏もあるとは思うが)。
今のところ、うちらが音楽に日常的に求めてる驚きとか喜びって、これが「そのもの」ではたぶんない。でも、活用のヒントは山ほどあると思います。これをきっかけに音楽(業界含む)が様変わりする可能性は十二分にあるでしょうし。