Intimate Soundとは

Intimacy | acoustics | Britannica
Intimacy | acoustics | Britannica

近年、音響に対する形容としてよく用いられるIntimate SoundとかIntimacyは、ある種のミーム(流行語)としてめいめいが好きなように使っているふうに見えるのですが、上記、Britanicaによれば、初期反射20ms以下といった直接音がばっちり聞こえる音響空間を言ったり、もっと端的には大人数のパフォーマンスによる「厚み」や「うねり」のないもの、そしてそこから共感覚的にもたらされる(劇伴の面でいえば)心象風景の描画しやすさを言うと解釈できます。
一方、「厚み」のなさより、音の「細さ」や「鈍さ(鋭くなさ)」に着目した「寄り添うような優しい音」を指したり、収録物に関する形容として、音の粒立ちを細かく捉えた(つまり接近収録的なイメージを与える)ことを指す場合もあります。

おおむね「近さ」に焦点の合った形容といえますが、ふだん音の近さをリバーブの深さだセンド量でしか語られるのを聞かない自分としては、厚みや細さと近さとの連携性があることに強い納得感を覚えます(音大辺りだとふつうに教えていそう)。
ちなみに、歌詞の一人称情緒表現に準えてリバーブをほぼ使わない曲を提供したのに、ミックス時、ボーカルにびっちゃりリバーブをかけられた経験はあります。