Native Instruments “Absynth 6”

長らくアップデートもなく、Komplete 14からは排除され、愛好家からやいのやいのと突っ込まれたAbsynthですが、週明けにもAbsynth 6として復活がアナウンスされます。見落としてましたが2日前ほど各誌でほぼ確実と伝えられていたみたい。
ご存知の方も多いかと思いますが、開発者であるBrian ClevingerによるRhizomatic Softwareは非常に色濃くDNAを受け継いだソフトシンセSynthesiaを既に世に送り出しています。
Brian ClevingerがNIにて腕を揮う展開になるのか、前バージョンとほぼ変わらずそれでいて現在のPCでも充分な能力を発揮するアップデートになるのか、より可能性を広げ深めたアップデートとなるのか、注目されるところです。
MassiveからMassive Xへの進化という、身の毛のよだつ前例が思い出されるところでして、轍を踏まないことを祈りつつ、Absynthで惜しかった同期がせめて完全な動作をするようになってほしいし、MPEなど現代的なコントロールへの対応もほぼ必至かと考えます。
発表を心待ちにしたい。
追記:発表になったもよう

↑この記事の執筆者のレビューとしては、待たされたわりに大きな変化はない、ということのようですが。
Absynthとは
そもそもAbsynthというのは、Single, Double, FM, Ringmod, Fractalize, Sync Granular, Sample, Granular、それにAudio入力のいずれかを利用可能なモジュールに、一般的なLPF, BPF, HPFに加えてAllpass, Notch, Comb, Supercomb, Cloud、さらにWaveshape, Freqshift, Ringmodを備えたFilter、Modのモジュールをつなぎ、マスター段でWaveshape, Filter, Effectを施すという、風変わりな加工をいくつも備えたシンセ。
今でこそありふれてしまったグラニュラーやフリーケンシーモジュレーター(リングモジュレーター含む)を駆使しており、言ってみればデジタルの要素をアナログ的に扱うソフトシンセでありました。
これまた今でこそありふれてしまったMSEGに該当するEnvelopeは時間経過に伴って自由な形状を持つことができ、DAWでオートメーションをグネグネ動かすことなく、白玉で鳴らすだけでいわゆるEvolvingなサウンドが紡ぎ出されるのでした。
発せられるサウンドは、全体的に柔らかく、リアルなサウンドってよりも一枚膜を挟んだようなボケ感のあるものが多かった(今はむしろそういった音色を作るのが非常に困難)。
楽曲の前面で主張させてもかまわないのですが、どちらかというと雰囲気担当としてアレンジに乗っけるか潜ませるか、縁の下に置いたほうがポテンシャルを発揮できるといった印象ですね。
Absynthとはよく言ったもので、というかその名称にユーザーが縛られてしまう面もあるかしれませんが、古今東西秀逸なソフトシンセが存在感をアピールするのに比べると、「え、私? さあ…」といったふうに主張も存在感も薄く自覚すらないような位置づけじゃないですかね。それこそが個性だったりするのですけど。
機能、操作性


トライアル版をダウンロードして、打ち合わせ前の10分弱ザクザクと触ってみた印象として、いや、見た目は結構変わりつつ基本的な構造は変わっていないものの、出音がスッキリしましたね。上に書いたような一枚膜を挟んだような響きではなくなっています。
そのうち記事を書こうと思ってたのですが、ここ数年、Wavetableやアナログシンセのエミュレーション、それとEvolving概念がソフトシンセ界をほぼ完全に覆ってしまっていたせいか、変化がないけど個性のある、それでいて尖っていない音色ってのがどうも実現困難で、もしかするとそのギャップを埋めてくれる貴重な存在になってくれるかもしれません。