NI、仮倒産手続き中との話

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NI、仮倒産手続き中

260129追記

Statement from Nick Williams, CEO of Native Instruments – Native Instruments Blog
Statement from Nick Williams, CEO of Native Instruments – Native Instruments Blog

Native InstrumentsのブログにCEOからのStatementが掲載されています。以下、DeepLによる翻訳。

このたびはネイティブインストゥルメンツに関する最近の報道について、私より直接ご説明申し上げます。

ネイティブインストゥルメンツ(Native Instruments)、アイゾトープ(iZotope)、プラグインアライアンス(Plugin Alliance)、ブレインワークス(Brainworx)の各社におきましては、通常通り営業を継続しておりますので、どうぞご安心ください。ハードウェアおよびソフトウェア製品は引き続き販売中で、ダウンロードおよびアクティベーションが可能です。情熱と献身にあふれたチームが通常通りお客様をサポートしております。製品開発およびエンジニアリング部門では、新製品や新機能の開発・リリースを継続してまいります。NKSパートナーシップチームは、Kontakt PlayerライセンスおよびNKSパートナー申請の処理を継続しております。

ネイティブインストゥルメンツの健全かつ財務的に持続可能な未来を確保するため、責任を持って鋭意取り組んでおります。ご存知の方もおられるかと思いますが、ネイティブインストゥルメンツGmbHならびに当社のドイツ国内の非事業持株会社3社が、ドイツにおいて再編プロセスに入りました。法的観点から申し上げますと、これらの会社について、破産手続開始前の手続き開始の申請を提出いたしました。

クリエイター、お客様、パートナーの皆様への継続的なサービス提供に注力しております。新たな情報が入り次第、随時お知らせいたします。

私自身も生涯にわたる音楽家であり、25年にわたりネイティブインストゥルメンツの熱心なファンでございます。音を通じてクリエイターが自己表現できるよう、インスピレーションを与え支援するという当社の使命は変わりません。

Statement from Nick Williams, CEO of Native Instruments – Native Instruments Blog
Native Instruments GmbH is in preliminary insolvency - CDM Create Digital Music
Native Instruments GmbH is in preliminary insolvency – CDM Create Digital Music
Native Instruments Enters Preliminary Insolvency Proceedings | Production Expert
Native Instruments Enters Preliminary Insolvency Proceedings | Production Expert
Native Instruments (Once Again) in Preliminary Insolvency - What Happens Next? - gearnews.com
Native Instruments (Once Again) in Preliminary Insolvency – What Happens Next? – gearnews.com

CDMが伝えるや否や、「またかよ」な声も伴いつつ騒ぎになっていますが、Native Instruments社、何度目かの危機に瀕しています。

どの程度ヤバい状況なのかは正直よくわからんのですけど、公式の発表がまだってことは崖っぷちってほどでもないのか、それとも…。

自分も仕事がら、NIに万一のことが起きると大打撃というか、本職(制作でないほう)への余波は半端なくデカいと思われます。
特にSonicwireは、ほかの国内代理店に比べてサンプリングライブラリーの取扱量が多いですし、不安を感じるユーザーからの問い合わせが殺到した場合に捌けるほどの人員がいるわけでもなく(人員は多いんだけど全員がサポートスタッフってわけではない)。


悪いほうに事態が進行した場合のことを考えてみます。
Kontakt周りが今のとこ最も心配で、たしかに数年前、NIの先行き不安を感じて独自エンジンに踏み出したサンプルデベロッパーが多くあったものの、そうした代用品が巷に満ち足りているとは考え難い。Kontaktがすぐさま使えなくなることはないでしょうけど、Heavyocity, Impact SoundworksのようにKontaktの仕組みに大きく依存しているとこはリリース済みコンテンツの扱いも含めて対応を考えなきゃいかんでしょう。
その流れで素人なりに考えると、体力に比較的余裕のあるデベロッパーであったとしても、新たに独自エンジンを開発するのにかかる費用を回収するために多少なりともユーザーが負担する場面が増えるか、旧製品を処分するノリで大盤振る舞い始めるか。体力ないとこだと、もし素材が残っていたなら別エンジン用バージョンを急遽組み直し始めるか。
ちなみにnkiを別エンジン用に変換するツールがあり得るかというと、これは十中八九無理と考えます。IPでしょ、きっと。

あとはReaktorですかね。これはコミュニティベースなので個々人で困っちゃう人は多いかと思いますが、大半の人にとってはそこまでマズイこともないかもしれません。

Komplete Kontrol/MIDI Keyboard関連はどうなんでしょうね。単純にディスコンするでしょうね。仕組み自体はもしかしたら残るかもしれません。

Traktor方面は、自分の周りにユーザーがいないので不明。

個々のシンセ、エフェクトはそこまでNIの独擅場って感じでもないので、仮に潰えても影響は少なそう。こちらも当分使い続けられるとは思いますが、いずれ使えなくなるかもと思いながら使い続けるのが精神衛生的にいいとは言えません。


幸か不幸か、この数年はそこまでDTM、DTMって感じでもなくソフトウェアよりゃハードウェアや生楽器のほうが人気だった印象があります。加えて某社による薄利多売の影響で、高くてよりよいものが売れにくくなった側面もなくもなさそう。

Kontaktのオルタナティブなソフトウェアってのもなくもないのですが、Kontaktばりに作り込めるものは数少ない。サードパーティ歓迎のエンジンはさらに少ない。Decent Sampler辺りが急に力入れたりするのかな。Soundiron辺りは、KontaktとDecent Sampler両対応の製品を近年ちょくちょくリリースしてました。
オーケストラとかわりと大掛かりなライブラリー、VSLなんかは独自エンジンで、Spitfireは3割くらいの製品が独自エンジンでしょうか。民族楽器系はもしかしたら全滅かもしれません(といっても、以前も似た状況に一度なっている)。
そういや、Spitfireは独自エンジンといいつつ、ほぼKontaktそのまま。あれはどういう経緯なんですかね。
個人的には、あそこまで仕上げたKontaktエンジンが(当面使えるとはいえ)無くなるとするとしんどいので、オープンソースか何かになってほしいところ。

Native Instruments Files For Preliminary Insolvency

↑Synthtopiaの記事のコメント欄には私と似たような感想の人が何人かおりますね。
しかし今さらあの時の経営統合がどうのとか製品の売り方がどうだったとか言っても思い出語りでしかない。
その部類の門外漢の感想がもしここでも許されるならばですが、製品のパワーに比べてNI自体の理念がユーザーにまったく伝わってこないのが根本的な問題だったかと思いますけども。
方針転換は多くの企業とてありますが、その意図や計画の説明なく行われれば行き当たりばったりにしか見えず、ユーザーにとっちゃ、そのせいでいつディスコンするかわからん製品に迂闊に金を出せないのですよ。不景気もあるけど、だから比較的安い製品にしか、あるいは安くなってからしか製品が買われない。ただでさえ、サンプルライブラリーなんて、買ってみなきゃわからない代物ですし。

さてあとは、吸い寄せられていったiZotopeやPlugin Allianceの今後も気になりますし、大半の音楽制作者が使うNI製品なだけに仮に会社が買い取られたとしてその顧客情報がどうなるのかというのも気になるところ。

ひとまず今日の時点で自分の立ち位置的に思ったのはそのくらいでしょうか。


CDMのほうにも追記がなされているとおり、問題は債務の整理であって製品は何らかの形で救われるのではないかとのこと。とはいえ、その状態で今後もユーザーが製品を安心して使い続けられるかと言われると難しいですよね。