【雑記】テクスチャ感の不足

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【雑記】テクスチャ感の不足

ここんとこ、製品マニュアルの翻訳やら製品のチェックやらしつつ、依頼のあった楽曲制作もゆっくり進めつつ、Serum 2をいじったり、AI関連サービスなど探ったりしているとこです。体調がすっきりとよくならないので、いずれもスローペースなのですが。

で、自分の古い曲をSunoに突っ込んでカバーさせたりしてみると、なかなか面白い感じに仕上がったり、グチャグチャにされたりと興味深い。
Pro版だとStem分割できるので落として聞いてみたりすると、Sunoだからというわけではなく、市販の生演奏楽曲をStem分割した場合にもいえるのだけど、ミックスどうこうの前にその楽器や演奏の持つ空気感を魅力的に感じます。
AI生成とはいえ(正確に言えばもととなる教師データ)、打ち込みでは出ない質感、空気感てのがあります。「打ち込みでは出しにくい」ではなく、「出ない」。たとえば、ハープか何か(判別難しい)をリズムに乗せずにふわっとランダムに奏でているその雰囲気がすごくよかったり、70年代くらいの管楽器の響きとかも編曲によっては非常においしい。
試してみて、寄せた雰囲気の音にすることはできるのだけど、打ち込みで似せることに意欲以外にどういう意味があるのかなと考えちゃったりします。
寄せたものと、AI生成されたものとの溝は依然あり、記事タイトルに基づいていえば、打ち込んだものにはテクスチャー感(質感ではなく)が欠けてたりするわけです。息遣いとかヨレとかそういうのをひっくるめて。

生成の解像度が今後上がったなら、打ち込んだ結果のオーディオデータを限りなくリアルなクオリティのオーディオに置き換えてくれるものが現れそうですよね。

レトロな雰囲気のサウンドをフィーチャーしたサンプルライブラリーがたとえばBig Fish辺りから出ていたりするんだけど、それを使って打ち込んだところで、やはり指示通り鳴らされた音、繋いだもの、って印象を払拭できない。
かつてのサンプリングCD、今で言うサンプルパックの醍醐味はそこで、自分もかつては本当に重宝していました。一連のホンセクのキメであるとか、ちょっと失敗したギターのカッティングだとか、ストリングスの極端に大きなビブラートとか、そうした要素を放り込むことでダイナミズムが生まれたりしたわけです。
懐古厨的な話じゃないですよ。いわゆるバーチャルインストゥルメントとして優れたサウンドの製品は日々たくさん登場してきてるのに、テクスチャー感を曲に与えるものが少ないよねという話。
実現しようとしたら途轍もなく手間のかかるもので、使おうと思ったらロード時間が長くなったりメモリが逼迫したりといったことになってしまうでしょう、たぶん。
であれば、さっき書いたように、ある程度打ち込んだら生々しく作り変えてくれるソフトウェアが登場してくれたほうが有り難いな、という話。
とはいっても、演奏家が食えなくなるみたいな心配もなくはない。

追記

その後もあれこれ考えていて、AIに委ねちゃえってのも間違いじゃないんだろうし、ひとくちにAIと言ってもそう簡単ではない(設計面もろもろ)ことも承知の上ではあるんだけど、加工技術の進展にもう少し期待してもいいのではと思い直しているところです。
とはいえ、いま一般に知られている手法(AI除く)の延長上に解法はなさそうな気もします。