Epidemic Sound “Studio”

Epidemic Soundという、おそらくストックミュージックを扱うのに近いサービスが、動画作品のサウンドトラック作成にAIを活用するStudioなるものを開発したようで。
全体像や業界の流れをしっかり把握できていないのでニュースを読んだ限りの話となりますが、それによると、AIは、どういった映像的文脈にどういった楽曲や音効が一般にあてがわれるかを学習したものであり、同社が管理する膨大な楽曲、またハリウッドクラスの音効がそうした中で(ほかの候補とともに)おすすめされる、そういったものらしい。
たしかに、個人レベルの動画であればお気に入りの曲や音効を貼り付けられれば済みますが、広告などの映像作品となるとそうもいかない。だからこそガチでやると時間がかかってしまう、それをもう少しラクにできるようにしようとするものと言えるでしょう。
物量の絡むもの、そのせいで時間がかかってしまうものをなるべく簡単に、っていうAI活用分野ですね。事実、あると助かる。
これを音楽や音響のクリエイティブ分野への侵略ともしも考えるなら、逆に音楽に対して映像を自動的にチョイスしたり新たに作ったりしてくれるものを想定したらどうでしょう。ありがたいですよね(利用にお金がかかるかどうかはこの際おいといて)。このサービス、Studioにおいてはその主客が転倒したものに過ぎません。
非常に大雑把にいえば、ざっと済ませたいのに手間隙かかってしまうものが効率化されるのであって、大掛かりな映画作品やガッと衆目を集めようという動画作品の制作時にそのまま使えるものではなさそう(そうした作品内で利用可能な場面がないという意味ではない)。
そうした作品にはトガった感覚や細かく制作ニーズに応えられる力量が依然必要なわけで、それらの領域が侵される心配は当面ないと考えられます。逆に言うと、「ふつうこうだ」の感覚でしか回ってないならば侵されやすい(もちろん「ふつうこうだ」を習得するのにも膨大な時間と労力を必要とするので決して無価値なわけではない)。
こうしたツール、ひいては将来的に現れるかもしれないツールは、原則として人間のクリエイティブ部分を支援するものとされるわけですが、果たして自分の持ち場が侵されないか、増幅してもらえるだけのクリエイティビティを自分が備えているか、場合によっちゃ、自身ですら気付かぬポテンシャルを見抜いてくれるだけの職場または界隈に自分があるかどうか、昨今はそのつど考えさせられてしまいますね。