Strezov Sampling “PRIMAL”


StrezovからETHNIC ORCHESTRAシリーズの最新作、PRIMALが昨年リリースされていました。いつもならとっくにNFRをいただけているところなのですが、最近来なくなりましたね…。
ETHNIC ORCHESTRAシリーズは中国/アジア系のJADE、ギリシアを中心とした地中海系のBALKAN、シリアを中心とした中東系のARABIAN、アルゼンチンを中心とした南米系のPACHAと意欲的に取り組まれている製品群。

今回はダークファンタジー方面の荒々しい世界観を想定し、中世、北欧を匂わすサウンドで統一。ダウンチューニングされた弦楽器、また迫力を演出する打楽器群を多数収録しているとのこと。
このシリーズの製品はインターフェースがほぼ一貫しており使いやすい。つまりカートリッジを差し替えて使うように扱えます。
もちろん楽器ごとの特性を踏まえたインターフェース設計/操作にある程度なっていますが、たとえばレガート時のニュアンスやポルタメントの具合、チューニングのブレなど、正直言って、搭載機能だけ使ってリアリティとクリエイティビティを両立させにくかったりします。
とはいえ素材としての(そこそこ製品の値が張るぶん)品質の高さは保証されているようなものなので、あとはそのジャンルに対するユーザーサイドでの造詣の深さ、素材活用の発想が多分に影響してくるかと思います。言い方を変えれば、ユーザーの腕を見せるイイ機会です。
まずは収録サンプルを隅々までチェックしてどういった組み合わせで鳴らすと効果的か探ってみるとよいかなと。
PRIMALではパーカッションにX3M、ほかの楽器にString Contoursの手法が持ち込まれており、ある種Strezov Samplingの技術の集合体のような位置付けになっています。いつもなら、一個の製品でデベロッパーの能力を判断すべきでないと考えるところですが、この製品においては名刺がわりととらえてもよさそう。
String Contoursの手法というのは、抑揚表現を含めたサンプルを正確にテンポ同期できるようタイムストレッチに対応させてNKI構築したもので、そのトレードオフとなりやすい(タイムストレッチによって発生する)アーティファクトが最低限に抑えられるよう、そもそも複数のテンポで素材を収録したもの。破綻を最小限に抑えつつリアリティが確保される、優れた妥協案じゃないかなと。