とあるRingtoneが海外で話題になってた

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とあるRingtoneが海外で話題になってた

“Right Now”の前例があるので(市販サンプルを使用したのに盗作疑惑をかけられた)、ちょっと話題になると臆病な自分としてはビクビクせざるを得ません。
その昔、Crypton Future Media在籍時に作成した音源がSony Ericssonの端末のプリセットに搭載されてたことがあって、そこから広がった話題のようです。
𝕏上での反応がポジティブなのかネガティブなのかよくわからんので、grokに聞いてみたところ、次のように回答がありました。

  • この投稿は、2007年のSony Ericsson W52S向け着うた「Mind binding」を紹介しており、作曲はCrypton Future Media(初音ミクの開発元)が手がけたもの。
  • 動画ではレトロなWalkmanブランドの折りたたみ携帯が着うたを再生し、チップチューン風のキャッチーなメロディーが特徴で、懐かしさを呼び起こす。
  • 投稿は14,000以上のいいねを獲得し、リプライではPinkPantheress風リミックスやVOCALOID曲との類似を指摘する反応が多く、現代音楽とのつながりを示唆。
Grok / X

手元の資料を見ると2006年11月に作ったもので、2006年9月の退職後、外注となってから作成した曲のよう。MA3、MA5、MA7フォーマットで納品してますね。
既に昔の話になりますが、うろ覚えのまま書かせていただくと、これらのフォーマットは単純に発音数が増えたのでなく、MA3では波形の種類とオペレータ数が増え、MA5ではストリーム用途以外にサンプラー用にPCMを使用できるようになり、MA7ではエフェクトと疑似3Dが使用できるようになったと記憶しています。チップを積む携帯のメーカーのほうは電力消費やらスピーカーのことを考えるとさぞかし設計が大変だったろうと思います。
正直なとこ、MA2の時代がいちばん面白かったですけども。

一時、2003年くらいまでのNorthSound、G6(いずれも当時のSMAF楽曲配信サイト名称)の楽曲をMP3化したものがWeb上で聞けたのですが、Flashの廃止とともにいつしか閉鎖されました。なので、過去データがあっても現在は聞くすべがありません。初期の頃は強引な楽曲データ構築をしていたので、それを見ることができたら面白いだろうとは思うのですが。

Mind bindingってのはMindbending(驚くべき)をモジッて「束縛」を意味するようにしたもの(ご存知の方もおられるかと思うが、自分は楽曲のタイトルで頻繁に言葉遊びをする)で、手元のデータではスペースを空けずにMindbindingと綴っています。何かのタイミングでスペースが入っちゃったんでしょうかね。
曲調は、おそらくStudio X2とかHospital Records辺りの影響じゃないでしょうか。

MA7くらいの頃になると、もはやFMで面白そうな音色を作るのは完全にネタ切れして、半ば惰性で楽曲作成していました。しいていえば、内部サンプラーの極小メモリ内にPCM音色をどうねじ込むか、って冒険をしていた程度でしょう。ROMのドラム音色のループポイントを極小に設定して、pitchedとして鳴らすこともしていたか…。

着うたに追いやられてからもNorthSoundやG6はしばらく続いており、2011年1月まではデータ納品を続けていたようです。

MA2時代の音色のキモ

もはや当時の実例を伴った情報がほとんど見当たらない今、かえって当時の話をしやすくなった感もありますが、MA2時代のFM音源では、ノイズになる手前ギリギリのフィードバック値とボリュームの設定にしたり、特定の値に設定したりしたときのみ発せられる音色が面白かったですね。
サンプルレートかどうか知りませんが、内部の処理レートとの兼ね合いで、フルスペックのFM音源とは異なる効果が得られるわけです。

【以下参考】

Plogue | Music Software | Developers – Software Synth | Audio Engine | Modula…
Plogue Art et Technologie, Inc. Makers of chipsounds, Bidule, chipspeech, chipsynth and many others.
discoDSP OPL
OPL: Yamaha OPL2 chip emulator with FM and additive synthesis, percussion mode, 16x oversampling, and 2000+ presets for classic game soundtracks.
YMU759 データシート(PDF)
部品番号: YMU759. ダウンロード. ファイルサイズ: 394Kbytes. ページ: 18 Pages. 部品情報: SYNTHESIS LSI FOR PORTABLE TELEPHONE. メーカー: List of Unclassifed Manufacturers.

結局のところリアルな音は出せないという前提があり、本物志向の曲を作る正攻法はあまり意味がなく、既存のジャンルの型を借りて固有のスタイルの曲を作るほかなかった。昔のゲームミュージックとされる分野の大半がそうであったように。
なので、MA3, MA5, MA7と進化していく中で表現可能なことが増えても、一般的な着メロ制作会社にとっては有り難かったんでしょうけど、まるで一般的ではない分野で制作に勤しんでいた自分にとってはそこまで有り難いことではなかった覚えがあります。

ソニエリ端末のプリとしてフォーマットは謎

ハッキリとは覚えていないのですが、プリセットとしての提供パターンとしては、

  1. SMAFのチップが搭載されているためデータをそのまま渡すパターン
  2. チップが搭載されていなためいわゆる着うた(AAC)用にオーディオ版を別途DAW環境で作成して渡したパターン
  3. それ以外に、SMAFを録音して着うたフォーマットで渡したパターン

以上の3パターンがあった記憶があります。少なくとも、聞こえるのはSMAFの音なので(1)か(3)かと。

内部データに曲名とCryptonの文字が見えたと指摘された人がおられますが、SMAFにせよAACにせよ、いずれも作品には曲名とCryptonの文字と制作年を入力する決まりになっていました。なので上に記したどのパターンか、確定させるには情報不足。
またSMAFであればクリエイターである私の名前も必ず入力していたので、それが見当たらないということであれば上記(3)のパターンである可能性もあります。しかしながら着うたフォーマットの場合、ジャケ写のようなもの込みでデータを渡すようにしていて、𝕏上ではそこに言及がなく。
結局よくわかりませんね。まあ調べれば出てくるんでしょうけど。