Cradle “State Machine Frutiger Aero”

CradleからState Machineの新作、State Machine Frutiger AeroのNFRを頂戴しましたので軽くレビューをば。
以前、State Machineシリーズ自体をざっとレビューして「うーん…」という感じではありました。
実際のとこ本作も、響く人と響かない人と両極端だろうなという気はします。
State Machineはこれまで10作ほどリリースされており、それぞれコンセプトをかっちり切り替え、個性的ながら共通のインターフェースを持ったRomplerとしてDAW上で機能します。
全体的には2000年代前後のサウンドを彷彿とさせます。この点が、響く人と響かない人との差。
High-Fidelityなサウンドを求める人にはビビッと来にくいだろうなとは思いますね。どちらかというとレトロ嗜好の方に向いています。

そこまで多くないサンプル数に感じます。一方でプリセットはそこそこ豊富。
なのでイメージ的にはサンプルパックで、だけどソフトウェアとして動作するので、エディット機能次第で活用の可否が判断されるといえるでしょう。その点でいうと、正直そこまで潰しが効くものではありません。
Frutiger Aeroというのは、いまから振り返って「あの頃はFrutiger Aeroだった」と定義されるタイプのデザインコンセプトの用語らしく、フラットデザインより少し前の2004年ごろからの、PCのデスクトップで見られたような青空と草原、水中に海藻と熱帯魚、オーロラ…といった鮮やかな色彩だとか、ゴミ箱やハードディスクが抽象化されたアイコンではなく実際のゴミ箱やハードディスクの姿で描かれるだとか、要するに機械じみたインターフェースにせずテクノロジーがもっと身近なものだと感じさせるものを指すみたいです。
実際、State Machine Frutiger Aeroのビジュアルはそのようにデザインされており、収録されたサウンドについても透明感を重視しているように感じました。
収録されたサウンドの方向性は、個人的には、RolandやKorgなどの日本の楽器メーカーに収録されたキメ細かなサウンドってよりも、Ensoniqなどの味わい重視のサウンドって印象が強い。
はるか昔に書きましたが、楽曲で使用するサウンドは同じメーカーのもので揃えてしまうと統一感こそ出るものの、個々のサウンド同士の分離があまりよろしくなく箱庭感が出てしまう。そのため自分としては、さまざまなメーカーのものを取り合わせて各相性を見たいと。そう考えていた時期を思い起こさせる、「ほかとは違う質感」と感じています。
結局、好き好きだなと。
質の高い音だけ集めれば良い曲になるかというとそんなこともないでしょうし、そうした点で悶々とした人にはもしかしたらちょっとした起爆剤になるかもしれません。
AU, VST, AAX対応、定価$59で、イントロ価格$47.50。