Will Lee, Matteo Mancuso

調べ物してて、いつものように脇道にそれて見てしまった動画。


Buddy Rich楽団(日本名はこれでいいのかな?)でTommy IgoeをフィーチャーしたChickenの演奏。
YouTubeコメ欄で見えるようにTommy Igoeもキーボーディストもきっちりしていてとても聞きやすい。

だけどそれよりも、これまで聞いてきたChickenの色んなカバーの中で、このWill Leeの演奏内容は随一のクオリティだと思いました。
ベースだけ聞くと意外に出しゃばりに聞こえるのだけど、ドラム、キーボード、ギターと合わせて聞くと噛み合い方が尋常じゃない。リズムのブレもあるけど、これはライブならではのもので、それを補って余りある演奏内容。
速弾きだ意外性だ完コピだ戦略だというアレンジがはびこる今にあって(映像は2013年)、フレーズとは何か、演奏とは何か、屋台骨とは何か、ショウとは何かを示しているふうに感じました。

なおベースソロ中で開放Cが鳴るのは、おそらくHipshotと思われます。この言葉も久々に使うな…

弾き過ぎ感は多少あり。が、出来過ぎとも言えるフレージングに惚れます。
SNIPSとかいうユニットでも色んなアーティストのカバーをしているそうなのだけど、Matteo一人のほうが安心して聞けますね。
SNIPSでのアレンジは、和音楽器がギターだけのせいか、バンドでのリズムがまだ不安定なせいか、今ひとつグッと来ませんでした。

他の(自分には響かなかった)プレイヤーたちと大きく違うところはどこ?と考えて「これかな」と思ったのは、上に挙げた、世代も違うご両人に共通して、オクターブを超えたフレージングと、その説得力。これがでかそう。
突然跳躍するフレーズを弾く人はたくさんいるんだけど、2小節なり4小節なりの音の羅列で見たときにその跳躍がごもっともでないと、散らかって聞こえるだけでね。