PC Music とは

たまたまサジェストされたので見てみたPC Music: a beginner’s guideという記事。

なんだ…これは…?というのが最初の感想。
はじめて2stepを聞いたとき、そのエアー感というか、日本でいう侘び寂びみたいな、空虚の美学を体得したいと感じたものです。久々に同種の欲求が募った感があります。

記事を読んでみるとどうも虚構のパーソナリティをでっち上げたりして(擬人化に近い)、プロデュース、リミックスといった展開をしているようです。今のところ私は「いい大人の本気の遊び」って捉えてますが、そう単純なものでもないかもしれません。
Pico Popと称されるJ-Popの影響も見て取られるとか。Future BassやNeonといった界隈が日本のゲームミュージック(近年のというより、ゲームボーイみたいなchip tuneのほう)に強く影響されたって話を近年見聞きしますけど、その部類として考えておいたらいいのかなあなどと。

こちら、SoundCloudのアカウント。

特に唖然とさせられたのが、この動画。

他の動画も何か精神的にヤバゲで、何度かここでも紹介したCyriakの映像作品を思い起こさせます。GFOTYの動画に至ってはただシーンがひたすら繰り返されるだけで、何かスパミーな手法を知っちゃった気にもさせられます。

So is it satire?

Again, it’s too early to tell. Certainly there are hints of satire in its desire to evoke the world of branding. One artist, easyFun, brazenly incorporates the easyJet logo into their videos. Then there’s QT, always pictured promoting her fictional drink. But it’s a blurred line – PC Music has actually worked with Red Bull, for example. You also have to wonder how they fund themselves, given that they’ve barely released anything yet. Ultimately, the most apt analogy for PC Music could be WWE wrestling: it’s full of fake personalities, nobody’s sure how much of it is for real, but we all go along with it because, ultimately, it’s really quite fun.

「風刺なのかわからんけど、何はともあれ楽しもうじゃないか」と記事文中にあります。同感ですね。
非常にスカスカ感の強い音楽で、盛り上がりそうなところで出鼻をくじかれるような感もあります。一方でなぜかサウンドはやたらハイ・フィデリティで、奇っ怪な映像とのアンバランスなコンビネーションに何かこう落ち着かない思いもあったり。
席巻するような強さはなさそうに思えますが、こうした界隈をたまには物見遊山して、ふだんの自分のモノ作りでガチガチに凝り固まった感覚をほどいてみるのもいいかなと思いました。

ぶっちゃけ、日本の同人音楽やネットレーベルでこのベクトル(思考的な意味で)のものはとっくにあると思ってます、私は。ただ、プロが肯定的スタンスでそうした擬人化手法に才能の無駄使いすること、それが海の向こうで実際に試された、それも予想外にニヒルな形で、ってのに驚いています。うまく言えないけど、そういう気分です。

cf:

この界隈を賞味するにはseapunk, vaporwave辺りも攫うといいよと助言いただきました。
ついでに色々と。ただまあ今この追記をしたためてる2016年だと型落ち感が多少ありますね。