雑記帳 221113

Bandcampでのリリースを値上げした

円安は癒えないし、物価は高くなるしで、過去作全部値上げしました。
もともと安かったし、売れてるわけでもないし、いいですよね?

話しすぎない

わかりやすく話すためには「話しすぎない」というスキルが必要。 | Books&Apps
わかりやすく話すためには「話しすぎない」というスキルが必要。 | Books&Apps

これはホントそうなんですよね。
自分も、無駄なやり取りの時間を節約したいから、来るだろう質問に先回りして答えておこうとして長くなっちゃう。
だけど、相手にしてみれば、考えてもいなかった(仮想)質疑応答が差し込まれれば脱線したようにしか感じらんない。
枝葉を取り払って話すか、「大事なことが3点あります」式に目次を提示して話すか、レジュメを見せた上で話すのが順当な方法なんだろうなと思います。

誤解されるといけないので書いとくと、「考えてもいなかった(仮想)質疑応答」というのは、聞き手の理解力の問題ではなく、たとえばひとしきり話を聞かないと疑問を持てない部分に、話途中で言及されてしまうことを言います。
たとえば「MIDI CCとは演奏内容に装飾を施す手法である」とすれば初心者の方にとって飲み込みやすい説明になりますが、実際にはすべてのMIDI CCがその用途ではないし、MIDI CCに属さないピッチベンドも装飾を施す際に用います。この条件文を文中に差し込むか、最後に付け足すか、あるいはあえて言わないか、相手次第では変える必要があると思うのです。

  • MIDI CCというのは、実際にはすべてのMIDI CCがその用途ではないし、MIDI CC以外にも装飾を施すものはあるが、演奏内容に装飾を施す手法である。
  • MIDI CCというのは演奏内容に装飾を施す手法である。ただし、実際にはすべてのMIDI CCがその用途ではないし、MIDI CC以外にも装飾を施すものはある。
  • MIDI CCというのは演奏内容に対して装飾を施す手法である。(←例外あっても言い切る)

飲み込みやすさの違いはかなりなもの。脳のキャパにもよります。あるいは、こう言う手も。

  • MIDI CCには、演奏内容に対して装飾を施せるものがある。たとえばモジュレーションホイール。

さっき書いたような、例外あっても言い切るパターンは、例外を挙げてマウント取ろうとするツッコミが来た場合に、肝心の初心者に「なんだ、難しいんじゃねえか、やーめた」と思わせてしまう場合があります(経験者談)。

中級ってどのくらいのレベルなんだろう

むかし、とある企画のときに初級〜中級くらいをターゲットにと指定をいただいて、「中級って、どのくらいのレベル?」と聞いたら、ある程度DAWを使いこなせるけどプロではないレベルと説明いただいたことがあります。
「自分の認識と違う、許せない!」とかいうくだらない話ではなく、認識がすれ違うことの予想できる概念はあらかじめ擦り合わせなきゃ企画自体空振りになる可能性あるよねという話。
PCで音楽を作るっつっても、昔のような”唯一の方法とわずかな揺れ”じゃ済まされなくなった時代なもんで、初級講座の内容としてこんなのを含む必要があったりします。

  • PCの起動/終了方法や音声出力の切り替え方
  • データの保存方法や捨て方
  • USBメモリの抜き差し方法

もちろんそんなん始めから知っとるって人も充分多いですけどね。それを踏まえて初級編と考えて授業計画立てていたときには、だいたいこの辺までは教えてました。

  • DAWの見方(各部説明)
  • MIDIキーボードからDAWで音を鳴らす方法
  • マイクでの録音、モニタリングの方法
  • ミキサーは呼び出さない限り表示されない
  • MIDIとオーディオの各メリットとデメリット
  • インサートとセンドの違い
  • ドラムマップの配置 → 音色が差し替え可能なものと差し替え不可なものは明示されないので覚えるしかない
  • 課題を提出する際に必要な手順(たとえば外部ファイルは一緒に提出しないとチェックできない的な)

当初想定しておらず後年あわてて追加したのが”テンポ”。要するに、曲作る前にテンポ決めないと後で大変よってところ。

上級編にあたる、

  • どうマイクをセットアップしてメンテして
  • どう音作りをするとバランスよくなるか
  • 仕上げる前にどこまで追い込めばいいか

などについては別に素晴らしい先生がおられたので完全にそちら任せ。
初級編と上級編の合間の中級編となると、たとえばこういうとこなのかな。

  • 純正DAWのみだと何が可能で何が不可能なのか
  • 他の制作者とコラボするにはどうすればよいのか
  • その音楽ではかけ録りとリアンプのどちらが仕上がりの良さを期待できるか
  • 途中でテンポが変わる曲のクリックをどうやって鳴らすか
  • 曲作りに関していえば、モノマネを脱するにはORマネるにはどうするか

そう考えると、いま作っている曲において直面している問題が中心になりそうで、いま直面してない問題を解決する技法など仮にそれがどんだけ革新的であっても伸びにくい気がしますね。もっとも、それはそれで貪欲な人が頭抜けることになるだろうから、ヘルプフルって意味ではイイんでしょうけど。
とはいっても、いま直面している問題を正しく自分で把握するのって難しいですよね。

個人的に、以前Pro Audio Filesだったかにまとめられていた、タイプごとのコンプの違いは非常に端的でよかった。というか、Pro Audio Filesの記事は(執筆者によるけど)大概いい。Sonic Bloomや、閉鎖してしまったLogic Pro Expertもよかった。これらは内容がいいので、しばらく更新の間が空いても更新されれば読みに行ってしまうんですよね。
LANDRやNI BLOG、ASK.AUDIOはこれらに比べるとだいぶ劣ります。ダメではないけど、たまにやたら主観が強いときがあります。自戒込めて。
いっときはチュートリアル系のブログが多かったんですが、YouTubeで内容をまんまパクられたりするのが続いたせいか、有料化したり閉鎖したりで少々残念なことになってます。

サウンドプログラマ不足

ゲーム関係の仕事はもうしてないので、言及するにしても古い話になるのですが、サウンドプログラマって実質ディレクターの真横で仕事するようなもの。狙い目って言われても、雑な扱いされるなら誰も志望しないんじゃないですかね。無理を聞く仕事じゃなくて、仕様を固めるのが仕事なのよ。
メモリがヤバい内蔵音源系の仕事ばっかり任されてた(今も)のだけど、ゆっくりフィルターが閉じる音色とか、ゴージャスなストリングスとか、リリースの長い効果音とか、使い回しの効かないボイスエフェクトとか、一曲入魂はいいのだけどメモリ効率の悪い曲を持ってくる人は思いのほか多い。
素晴らしい曲であることは何より大事で、素晴らしい曲をどうにか鳴らすためにサウンド再生の仕様を変えちゃうのもナシじゃないとは思うんですが、ゲームにとってサウンドだけが大事なわけじゃないんですよね。